
AR技術で現実を拡張する
AppleがAR技術を重要視していることは明らかだ。2016年の発言を見てもCEOのTim CookはARの持つポテンシャルを高く評価しており、VRよりもARのビジネスのチャンスが大きくなるという意見を発表している。
その発言から予想された通り、Appleが視覚化技術の分野で最初に作ったのはARのソフトウェアだった。彼はARKitをAR普及の第一歩として位置づけており、この先にはARハードウェアへの進出があるのではないかと噂されている。
Bloombergが事情に詳しい人々からの情報として伝えたところによれば、Appleは2019年にARグラスを発表し、早ければ2020年には製品を発売するという。
AppleのARデバイス

iPhoneを使うARグラス?
ARKit
AR技術に注目しているAppleが最初にこの分野で製品としてリリースしたのは、iPhoneやiPadといったiOSを搭載するデバイスで本格的なARアプリを動作させるプラットフォームARKitだった。ARKitを使えば、これまで特殊なセンサーを搭載するGoogle Tango対応スマートフォンでしか実現できなかった本格的なARアプリがiOS搭載端末で利用できる。
GoogleもARKitに対抗するようにAndroidデバイスで利用できるARプラットフォームARCoreを開発しており、この二つのスマートフォン用ARプラットフォームが技術の普及を進めていくことになりそうだ。
ARハードウェア
スマートフォンでAR対応アプリを使えるARKitのようなプラットフォームは、AR技術の普及を考える上で大きな力を持つ。だが、スマートフォンのハードウェアが処理能力の限界を決めてしまうことになるのが弱点だ。高度な処理を行うARアプリを開発しようと思うと、貧弱な画像処理能力やバッテリー容量が障害となる。
そこで期待されるのが、AR専用のハードウェアだ。Appleは専用ディスプレイを搭載したARデバイスやiPhoneをはめ込むタイプのARゴーグルをテストしているという噂がある。どちらの方式にも長所と短所があるが、いずれにしてもAppleは何らかのARデバイスを開発しようとしているようだ。
Bloombergの匿名の情報源によれば、Appleのデバイスはスマートフォンのプロセッサやディスプレイを使うモバイルVRヘッドセットと違って独自のスクリーンを持つという。独自開発のチップを搭載予定なのか、チップやOSも新しいものになるとされている。
ただし、まだ完成形が定まっているわけではないようだ。iPhoneを使うゴーグル型のARデバイスが登場する可能性もある。
ARデバイスの難しさ

盗撮への不安などから批判されたGoogle Glass
利用しやすいハードウェア
ユーザが一人で使用することが多いVRヘッドセットと異なり、ARグラスは周囲の情報を表示するためのデバイスだ。人と会話をするときや、屋外で過ごすときにも使うことができるようなスマートなデバイスであることが望ましい。
そうなると、デバイス本体のサイズを小さくしたい。また、あまりに機械的で威圧感のあるデザインも反発を招く可能性がある。「ヘッドセット」ではなく「メガネ」の一種と言えるくらいのデバイスにできれば理想的だ。
新しいチップ
デバイスを小型化する上で重要な役割を果たすのが処理を担うチップセットだ。
処理能力の高いチップは発生する熱も消費電力も大きくなってしまうが、排熱のために空気の流れるスペースを作ったり大容量のバッテリーを搭載したりすれば本体のサイズが大きくなる。なるべく小さく、少ない消費電力で高速処理が可能なチップが必要だ。
AppleはiPhone以外にもApple TVやApple Watchといったデバイスを開発しており、特にApple Watchの本体は非常に小さい。こうしたデバイスでの経験がARグラスの開発にも活かされるだろう。
スマホARから専用デバイスへ
この情報が正しければ、AppleのARグラスが登場するまでにはまだ2年以上の猶予があることになる。2020年末の8億5,300万台に向けてARKitに対応したiPhoneは増加すると予測されているので、それまでにはARユーザも増えているはずだ。
Appleがどのような形で消費者にARグラスを広めていくかは分からないが、ARデバイス登場までに残された2年~3年の間にスマートフォン向けARアプリ市場は一つのピークを迎えることになりそうだ。2020年を境にARKit対応端末とARCore対応端末の台数が逆転するという予測も出ており、2020年がAR業界にとって重要な年になることは間違いない。
参照元サイト:Bloomberg
参照元サイト:Wareable
参照元サイト:AppleWorld.Today
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