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映画「マトリックス」のVFX担当がMagic Leapに入社



ARスマートグラスを開発する企業Magic Leapは多額の資金を調達しており、これまでに一度も製品発表を行なっておらず、謎に満ちた企業として知られている。


同社に先日、映画「マトリックス」のCG担当を務め、ルーカスフィルム関連のメディア企業ILMxLabを創設したことでも知られるJohn Gaeta氏が入社することになった。同氏のMagic Leapでの活動内容については明らかになっていないが、同社のスマートグラスやアプリ開発に携わるものと考えられる。


概要


「マトリックス」のCG担当者がMagic Leapに入社


The Vergeによると、John Gaeta氏はMagic Leapにおいて”Senior Vive President of Creative Strategy”という役職で入社する。同氏はThe Vergeでのインタビューにおいて以下のように述べている。


自分にとって、(Magic Leapに入社することは)新天地を開拓するための新たなスタート地点であり、いつの日か誰もが驚くことのできる素晴らしい体験を提供できるでしょう。

Gaeta氏はこれまで映画業界において大きな功績を残しており、1999年に公開されたSF映画「マトリックス」のVFXスーパーバイザーを務めたことで知られている。同氏は本作において「Bullet Time」という技術を開発しており、これによって2000年、アカデミー賞視覚効果賞、ならびに英国映画テレビ芸術アカデミーより”Best Achievement in Special Effects”を授与されている。


ILMxLabとMagic Leapとの協働


また、Gaeta氏は2015年にルーカスフィルムが設立したVRを含む技術研究施設ILMxLabの共同設立者、クリエイティブディレクターでもある。


ILMxLabはVR/AR技術の開発にも積極的で、2016年に開催されたWIRED Business ConferenceではMagic Leapとの戦略的提携を発表、Magic Leapの技術を活用した没入型コンテンツの開発を発表している。



参考:Magic Leap社がLucasfilm’s ILMxLab社が共同で「スターウォーズ」の没入型体験コンテンツを開発


Magic Leapの製品開発に着手か


Gaeta氏は今回Magic Leapの役員として同社の事業に携わるが、ILMxLabでの業務も両立していくとのことだ。同氏はMagic Leapの事業に参加することに関して以下のように述べている。


(Magic Leapに参加することは)自分がクリエイター、またイノベイターとして成長できる機会であり、そして自分には常に、様々な人がこれらのプラットフォームを通して成長することを可能にするという役割があります。Magic Leapは(ARという)新しい空間で、人々がクリエイティブになれる機会の提供を求めている企業です。

ウェブサイトのアップデート、巨額の資金調達


Magic LeapがARデバイスを開発していることはよく知られている事実だが、同社はこれまでに製品の発表を一度も行なっていない。また、先日は同社が特許を出願したスマートグラスのデザインが公開されているが、これは2015年に出願したものであり、デバイスのデザインが大きく変更されている可能性が高い。



また、同社は先日ウェブサイトをリニューアルしているが、現時点で同社はデバイスやリリース予定に関する情報は発表していない。この直後に、同社は新たな資金調達を行いシンガポール政府の投資ファンドから5億ドル以上の資金を調達、これまでに調達した資金は20億ドル(約2,300億円)以上となっている。


半年以内に製品を発表か


また、Bloombergの情報によると、同社は6カ月以内に少数のユーザーに向けてデバイスを出荷するとのことだ。Magic LeapのARデバイスは1,500ドル〜2,000ドル(約16万円〜22万円)の価格になるとされる。


これは消費者向けのデバイスではなく、限定された小規模の人数向けの出荷となるようだ。Magic Leapから公式に発表された情報ではないので真偽は定かではないが、この巨額の資金を集めているスタートアップ企業がどのような製品を繰り出すのか、投資家や業界関係者が注目している。


参考:Magic Leapのウェブサイトがリニューアル、製品発表の準備中か


様々な用途で活用できるARスマートグラス


「Raptor AR」



スマートグラスは様々な用途での活用が期待されており、建築や倉庫内、病院など様々な現場で使用できる可能性を秘めている。


先日登場した「Raptor」はサイクリングに特化したスマートグラスであり、コース上のチェックポイント間の距離やアスリート本人の移動速度など、サイクリストにとって役立つ情報をディスプレイ上にAR表示するデバイスだ。


ディスプレイにはサイクリストの心拍数、ケイデンス(ペダルを漕ぐ回数)、自転車の速度、走行距離などの情報を現実世界と重ねるようにして表示しながら、それらの情報を鮮明かつ高解像度で、リアルタイム表示することが可能だ。


こういった情報が装着したスマートグラスのディスプレイに表示されるので、デバイスを見るためによそ見をしたり、手が塞がってしまうという心配がない。安全性と利便性を両立できるデバイスとなっている。


参考:サイクリスト向けARスマートグラス「Raptor」が499ドルで販売予約を受付開始!


参照元:Road to VR ILMxLab’s John Gaeta Joins Magic Leap as Senior VP of Creative Strategy


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