手術訓練用のVRプラットフォーム開発を手がけるOsso VRが、優れた教育用AR・VRシミュレーションやその開発企業を対象とした「EdSim Challenge」の大賞に選出された。
「EdSim Challenge」はアメリカ合衆国教育省の主催するコンペ。イマーシブテクノロジーを活用した、次世代の教育手法を探し出すことを目的として開催されている。
249の応募の中から、5つの研究機関・企業のファイナリストが選出され、今回はOsso VRが受賞することが決まったようだ。
EdSim Challengeとは
分野問わず、教育用のイマーシブプロダクト・コンテンツを募集
アメリカ合衆国教育省が2016年11月に立ち上げたコンペ。
アカデミックな研究を可能とする基礎能力、技術者になるためのスキル習得、会社員に必要な能力養成など、用途は問わずに、広く「教育」をテーマにしたイマーシブプロダクト・コンテンツを募集している。
コンペ全体の目的として、教育分野のAR・VR市場を活性化するとともに、最新技術を用いることにより、効果的な学習ができるコンテンツや、新しい教育目標達成度の評価手法が開発されるようにマーケットに働きかけることなどを目的としているようだ。
審査基準について
まず全応募作品は、ファイナリストに値するかどうかを審査される。
コンペの評価基準は以下の通り。
「シミュレーションを通じた教育の結果」、「ユーザーの熱中度」、「初期コンセプトからプロダクト化するまでの、コミットメントのレベル」、「コスト面などから見た実用性」、「他のシミュレーションとの組み合わせなどの拡張性(Open Licenseの使用有無など)」の5項目それぞれでスコアがつけられ(25点満点)、審査される。
そしてファイナリストの中から大賞を受賞する1作品が決定されることになる。
大賞の選出過程では、上記の5項目とおおよそ同内容の審査基準に加え、教育シミュレーションという分野全体に与えうる影響力などについても審査されることになるようだ。
ファイナリストと優勝者の賞品について
ファイナリストにはそれぞれ5万ドルが、また大賞受賞者には43万ドルがそれぞれ贈呈される。
またファイナリストにまで残った応募者は、サムスンから「Galaxy S7 Edge」、「Galaxy Tab S2 9.7」、「Gear S3 watch」、「a Gear VR headset」、「Oculus Mobile software developer kit」といった賞品がそれぞれ贈られるようだ。
さらに大賞受賞者にはIBMからアプリ開発用のクラウドプラットフォーム「BlueMix」のパッケージ版が、またMicrosoftからスタートアップ支援プログラム「BizSpark Plus」が贈呈される。
このように複数の有名企業から、今後のプロダクト開発をサポートする賞品が提供されるのも「EdSim Challenge」の大きな特徴のひとつではないだろうか。
OSSO VRについて
ハイクオリティな手術トレーニング用プラットフォーム
今回大賞を受賞した「OSSO VR」は、外科手術をおこなう医師への教育を目的として開発された、手術トレーニング用プラットフォームだ。
医師はヘッドセットを装着し、Oculus Touchのようなモーションコントローラーを使用することで、バーチャルな手術室に入室することになる。
このVR空間内で、医師はOculus Touchのようなモーションコントローラーを使うことにより、固定具やドリルなど各種手術器具を手にしているかのような感覚で、手術のシミュレーション練習をおこなうことができるようになるのだ。
外科医の監修のもと制作
OSSO VRは、あらゆる外科手術のパターンをシミュレーションすることが可能だ。またプラットフォームの監修は、外科医によっておこなわれている。そのため複雑な手術であっても、きわめて高い正確性で構築された人体の3Dモデルを教材として学んでいくことができるのだ。
今後投資会社もさらに注目するように?
OSSO VRは最近、200万ドルの資金調達に成功している。
今回の大賞受賞という実績を受けて、今後さらに投資をしたいと考えるベンチャーキャピタルが続々と現れてくるかも知れない。
参考URL:
Osso VR, EdSim Challenge, UPLOAD VR
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