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Samsung幹部発言「Gear VRとOdysseyのあいだに位置づけられるVRヘッドセットを開発中」


海外メディアWareableは、Samsung社幹部のスタンドアロン型VRヘッドセットに関する発言を報じた。



Gear VRとOdysseyのあいだのデバイス


同メディアによると、Samsungは2017年10月18日と19日、アメリカ・サンフランシスコで同社主催の開発者会議「Samsung Developer Conference」を行っている。


同イベントにおいて、同社ヴァイス・プレジデントのTaeyong Kim氏は「Samsungから見たVRの未来:その水平線上には何が見えるか」と題されたセッションを行い、同社の今後のVRビジネス戦略を披露した。


披露された戦略によると、同社は現在Gear VRと(同社が開発したWindows MRヘッドセットである)Odysseyのあいだに位置するVRヘッドセットを開発中である、とのこと(本記事トップ画像参照)。同氏は開発中の製品名までは明かさなかったが、この製品は「Inside-out型トラッキングでかつ6自由度モーションコントローラー」を実装することになる、と明言した。


同氏が発言した「Inside-out型トラッキングでかつ6自由度モーションコントローラー」という仕様は、実質的に先日Oculus社が発表したスタンドアロン型VRヘッドセット「Oculus Go」と同等であると考えられる。


ちなみに、「Oculus Go」もまたGear VRとOculus Riftの中間に位置づけられるVRヘッドセットとして開発されていることは、Oculus社の開発者カンファレンス「Oculus Connect」での発表から明らかである(下の画像参照)。


Oculus Connect 3で登壇したMark Zuckerberg

Oculus Connect 3で登壇したMark Zuckerberg


さらに同氏は、開発中のVRヘッドセットは「Intelを含む世界的な企業と提携して」開発していることも明かした。


この発言から、Intelはスタンドアロン型VRヘッドセット「Alloy」の開発を最近になってキャンセルしたのだが、このキャンセルの後にSamsungと提携して新たにスタンドアロン型VRヘッドセットの開発を再開させた、ということを推測できる。


同VRヘッドセットに関しては、具体的なリリース時期および価格については現時点では不明ではあるが、同じプロダクト・カテゴリーに位置づけられるOculus Goとあまり変わらない価格帯である可能性が極めて高いだろう。というのも、同VRヘッドセットの価格がOculus Goを上回るようなら、たとえ性能が良くてもVR市場において競争に勝てる見込みが薄いからだ。


最近のSamsungのVRヘッドセット開発動向


昨年の「VR元年」に、Samsungはいち早くモバイル型VRヘッドセットGear VRをリリースしてVR市場において存在感を示したが、最近は同社のVR戦略を見直すような開発動向が見られる。


Daydreamのリアクションに終始するGear VR


2017年8月、同社のスマホシリーズGalaxyの最新スマホGalaxy Note8が発表されたのに呼応して新型Gear VRがリリースされた。


もっとも新型とは言っても、Galaxy Note8のスクリーンが同スマホシリーズ最大の6.3インチであることに対応したサイズ変更のみだった。


Galaxy Note8が4K画質を実現するのではないかという噂をうけて、新型Gear VRも4K画質のモバイル型VRヘッドセットになるのだはないかという予想もあったのだが見事に外れたかたちとなった。ちなみに専用コントローラーは2017年内にリリースされる、とのこと。


以上のような新型Gear VRではGoogleが展開するDaydreamシリーズを凌駕するとは言い難く、むしろDaydreamに対するリアクションに終始した開発に留まっている。こうしたGear VR開発の消極姿勢から、同社はモバイル型VRヘッドセット市場に見切りをつけているのではないか。という憶測も成り立つのである。


「有機EL」「専用ヘッドフォン」を実装して攻めたOdyssey



2017年10月、同社はWindows MRヘッドセット「Odyssey」を発表した。


Windows MRヘッドセットはSamsungのほかにもAcer、Dell等世界的デバイスメーカーが製造しているが、注目すべきは「Odyssey」がほかのMRヘッドセットは実装していない「有機EL」と「専用ヘッドフォン」を採用しているところだ。


有機ELとはOLEDとも表記される次世代ディスプレイのことであり、従来のLEDディスプレイと比較して画面のコントラスト(明暗比のこと)が高く視認性に優れていると言われている。最近では、iPhone8/8 Plus/Xに実装されたことで話題となった。


以上のようなOdysseyの仕様から、SamsungはPCを使用するハイエンド型VRヘッドセットにはかなりのリソースを割いているのではないか、と推測できる。


まとめると、Samsungは今後モバイル型VRヘッドセット市場よりハイエンド型あるいはスタンドアロン型VRヘッドセット市場に力点を置くのではないか、という予想が可能となる。この予想が正しいかどうかは、2017年末から2018年初頭の同社の動向からわかるのではないだろうか。


ソース:Wareable

https://www.wareable.com/samsung/samsung-gear-vr-2018-inside-out-tracking-future-4993


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