子供向けの玩具やガジェットを開発、販売するSeedlingは、ARアプリを活用して遊べるテディベアのおもちゃ「Parker」を発売中だ。
子供は専用のARアプリを使うことにより、Parkerを使った「お医者さんごっこ」を楽しめるようになる。さらに治療に応じ、Parkerの側からもARを活用したとある「お返し」をしてくれるなどインタラクティブなおもちゃに仕上がっているようだ。
価格は60ドル。
「Parker」の概要
付属の体温計やシートを使ってParkerを診察!
Parkerの見た目は市販されている一般的なテディベアと変わらない。ベージュ色のふわふわとした可愛らしいテディベアに仕上がっている。
ParkerにはバッテリーもWi-fiもカメラも搭載されていない。「お医者さんごっこ」を楽しむためにはスマートフォンに無料アプリをダウンロードするだけで良い。アプリはiOSにもアンドロイドにも対応している。
アプリを通じてParkerに診察を施してあげて、結果、Parkerに何らかの不調があるとわかれば治療する、という流れで遊ぶ。
たとえば専用の体温計をParkerに当てることで、Parkerの体温を測定できる。体温計自体は測定結果はスマートフォンやタブレットで確認可能だ。
またParkerにスケルトンのイラストがプリントされた専用シートを乗せると、スマートフォン、タブレット上ではParkerの「体の中」がARとして表示され、診察することが出来るようになる。これによってParkerの「腹痛」も治療して挙げられるようになるのだ。
ARを通じたパズルやゲームも楽しめる
Parkerはただ治療されるだけではない。治療を重ねることで、Parkerと一緒に遊べるゲームやパズルをアンロックしてくれるのだ。
アンロックされるコンテンツの中には、たとえば点と点を繋いで1つの絵を完成させていくパズルゲームや、一緒に写真を撮影できる機能などがある。
また治療後、パズルが問けた後などには、Parkerが「今どんなに幸せな気持ちになっているか」ということを、ARを通じて教えてくれるのだという。スマートフォンのカメラを通じて見渡した周囲が、ARによって特別なものに作り変えられたように見えるのだ。
総合的なSTEAM教育が可能
ParkerはSTEAM教育向けに開発されたおもちゃだ。
STEAMとは「科学(Science)」、「技術(Technology)」、「工学(Engineering)」、「芸術(Arts)」、「数学(Mathematics)」を表した言葉。これらの理数系および芸術系教科に力点を置いた教育法はSTEAM教育と呼ばれ、その重要性に対し現在国際的に注目が高まっている。
Parkerとのお医者さんごっこにより、子供は基本的な生物学的知識を獲得し(科学)、ARなどのデジタルリテラシーも体験できる(技術)。また診察を通じて課題解決力を養うことも可能で(工学)、更には絵を描く、パズルやゲームで遊ぶという体験で数学的、芸術的な能力も育てられるのだ。
このようにParkerは子供の基礎的な能力を、総合的に伸ばせる知育玩具なのである。
ARを活用したおもちゃを紹介!
ARを活用したおもちゃは、Parker以外にもたくさんの商品が開発されている。
以下ではその一部を紹介していこう。
バットマンの視点で操縦できる!「バットモービル」のラジコン
DCコミックスのヒーローが集結する映画『ジャスティス・リーグ』に登場する、バットマンの乗り物「バットモービル」をラジコンとして仕上げた商品。現在のところ10月中の発売が予定されている。
この商品における最大の特徴は運転席に搭載されたARカメラだ。操縦者は運転席の視点から、走行中の様子をモニターで確認することができる。さらにAR空間上で確認したエネミーやオブジェクトに狙いをつけて、ミサイルを発射することも出来るようにする予定だという。
ホロ表示のオブジェクトに触れて遊べる「Merge Cube」
専用のアプリをダウンロードしたスマートフォンのカメラを通してキューブを見ることで、ホログラフィックなオブジェクトが現れるという仕組みのおもちゃ。
AR空間上でキューブに投影されるイメージははアプリ次第で様々なものが追加可能だ。たとえばキューブ表面に様々な幾何学模様のパターンが浮かんでは消えるという視覚的な面白さを単純に楽しむタイプのものから、キューブ内部にクラゲのような不思議な生き物を飼っているかのように演出するものまである。
現実でキューブを傾けたり回転させると、当然AR上のイメージもそれに応じて様子を変化させる。遊ぶのに複雑な操作は必要なく、直感的な操作感になるよう設計されている点が特徴だ。
AR玩具は増加していく?
ARKitやARCOREの登場により、ARを活用した子供向け玩具は今後も増加していくと思われる。開発メーカーにとって参入障壁がそれほど高くなく、またユーザーにとってもスマートフォンかタブレットさえあれば仮想空間を通じてこれまでにない遊びが楽しめるようになるからだ。
「AR玩具」がこれからどのように市場を成長させていくのか、楽しみなところだ。
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