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SnapがARハードウェアチームの再構築を実行中


SnapのSpectacles

SnapのSpectacles


Snap(昨年社名をSnapchatからSnapに変更した)は、カメラを搭載したサングラス「Spectacles」を発売した。


社名変更と新しいサングラス型デバイスは、今後Snapがどのようなサービスを目指していくのかを端的に示すものと言えるだろう。同社は単なる写真や動画を使ったアプリの企業ではなく、ARアプリやそのアプリを使うのに適したARカメラの企業を目指しているようだ。


そのSnapにとって初めてのハードウェアとなるSpectaclesのマーケティングは成功したが事業的には成果を上げられておらず、Spectaclesを開発したチームの再編成が行われているという。Bloombergはこのチームのリーダーが変更され、規模が縮小されたことを伝えている。


Spectaclesの失敗


外観にもこだわったSpectacles

外観にもこだわったSpectacles


ディスプレイのあるスマートグラス


ARグラスあるいはスマートグラスと言うと、Google Glassのようにレンズ部分をディスプレイとして情報の表示が可能なメガネ型デバイスというのが一般的なイメージではないだろうか。最近ではGoogle Glassのプロジェクトが個人ではなく企業をターゲットに再始動するなど、そうしたいわゆるスマートグラスの世界も再び盛り上がりを見せている。


かつてGoogle Glassが失敗したときと比べるとデバイスの小型化が可能となっていることや日常を撮影してSNSに掲載するのが当たり前になっていることもあり、以前よりもスマートグラスに対する抵抗は薄れているのではないだろうか。


ARカメラ付きサングラス


しかし、SnapのSpectaclesはそうしたスマートグラスとは一線を画するデバイスだ。Spectaclesの実態はカメラの付いたサングラスであり、見た目よりも機能を重視した他社のスマートグラスとは一味違う製品となっている。複数のカラーが展開されている点を見ても、外観にこだわりを持った製品であることが分かるだろう。


「未来的な最新デバイス」ではなく、「おしゃれなARメガネ」として作られたのがSpectaclesだ。


マーケティングの成功


Snapが昨年実行したSpectaclesのマーケティング戦略は大成功だった。


Spectaclesは今でこそSnap公式のウェブサイトや有名なオンラインストアで購入可能となっているが、当初は突如出現する派手な黄色の自動販売機でしか購入できないデバイスだったのだ。このキャンペーンにより、Snapは消費者の興味と関心をSpectaclesに集めることに成功した。


いつでもオンラインで購入できるのは便利だが、簡単に手に入らないからこそ消費者が注目するという面もある。


この大成功したキャンペーンを行ったマーケティング担当者も、解雇の対象となってしまった。どうやらその理由は、売上が芳しくないからのようだ。


製品としての失敗


昨年実施したキャンペーンで消費者の注意を引きつけることには成功したSnapだが、それによってSpectaclesが大ヒット商品になることはなかった。


同社の決算報告を見ると収益は減少しており、第2四半期の売上は540万ドル(6.1億円)だ。Spectaclesの単価は129ドル(1.5万円)なので、おおよそ41,900個販売されたことになるだろうか。


Snapはこのハードウェア事業に資金を投じたが、Spectaclesの売上はほとんど同社の利益に貢献していないとみられる。Motley Foolの試算では第2四半期のSnapの売上のわずか0.003%がSpectaclesによるものだという。ほとんどゼロに近い数字だ。


Snapがハードウェアを作る理由


Spectacles

Spectacles本体とケース


利益のない事業


数字から見ても、SnapにとってSpectaclesの事業はお荷物になっている。短期の利益だけを考えるならば同社がメガネを作るのは資金と時間の無駄遣いであり、切り捨てるべき事業と言えるだろう。写真や動画に付けるARフィルターを増やすほうがよほど利益に繋がるはずだ。


それでも、同社はハードウェアチームを解散したわけではない。解雇された社員もいるが、元リーダーのSteve Horowitzは社内に残っている(チームのリーダーからは外れた)し、新たなリーダーとして Mark Randallが据えられた。Randallは以前、Googleの子会社Alphabetにいた人物だ。


カメラ、あるいはカメラとソフトの会社


Snapが自社の利益に貢献していないハードウェア部門に投資を続けるのは、同社がカメラ会社(またはカメラとソフトウェアの会社)として発展していくことを望んでいるからだと思われる。確かに同社の現在の収益源はアプリだが、ARアプリを開発するライバルとしてはFacebookがある。


FacebookはSnapchatの人気機能から大きな影響を受けたARアプリを開発しており、スマートフォンのカメラで撮影した映像を加工するARアプリの市場でSnapと競合することになる。SnapはARアプリだけの企業ではなくARカメラを開発する企業であることで、このライバルに先駆けようとしていると考えることが可能だ。


FacebookはもちろんAmazonやAppleもスマートグラスに取り組んでいるが、まだしっかりとした製品を発表している企業はない。ハードウェア部門への投資を続けることで、ARアプリの主戦場がスマートフォンから専用デバイスへと移行するときに備えることができる。


 


参照元サイト名:Motley Fool


参照元サイト名:Bloomberg


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