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クレーン操縦をVRでトレーニングするシステムが登場



VR技術はゲームをはじめ様々な分野に活用の可能性が見出されており、教育、建築、ファッション、デザインなど多岐にわたる。そしてVRがポテンシャルを発揮する分野の一つが、現場作業を行う従業員のトレーニングだ。


VRを社員研修やトレーニングに用いることで、これまで行われていた大掛かりな設備を用いたトレーニングよりも低コストで、かつ短時間でトレーニングを行うことが可能になる。企業にも研修生側にもメリットをもたらすものだ。


米国では現在、VRを従業員のトレーニングに活用する企業が複数存在しているが、先日は建設作業員がクレーンの操縦をVRで体験できるシステムが登場した。VRを用いて、実際のクレーン操縦に近い環境を体験することで、クレーン操縦を体感的に学ぶことができるシステムだ。


概要


VRでクレーン操縦を学ぶシステム


本システムは総合建設企業のベクテルと、Industrial Training International(ITI)との提携によって開発されたもので、クレーン操縦手向けに開発されたVRトレーニングシステムだ。


現在、すでに実用化の見込みは立っており、「National Comission for Certification of Crane Operators」による認証を受けたことによって、本システムを実際のクレーン操縦手のトレーニングで使用することができる。


実際のクレーン操縦と同じ環境をVRで体験


2016年に開発がスタートした本システムでは、ユーザーは実際の建設作業現場でクレーンを操縦するのと同じ体験がVRでできる。ユーザーはOculusRiftを装着して、クレーンの操縦席を模したコントロールシステムを用いてトレーニングを行う。



VRによって没入感の高い環境で、できるだけ実際の環境に近い状況でクレーン操縦を体験することが可能だ。これによって、実際の現場でクレーンを操縦する際にはより訓練度の高い状態で操縦を行うことができる。


また、本システムは移動や設置が容易であるため、様々な場所で展開することも可能だ。


VRを訓練に取り入れることで時間と費用を削減


クレーンなどの大型建設作業車両の操縦は習得するのも時間を要するが、この間に実際に車両に搭乗して操縦を学ぶ必要があり、コストを要するものでもあった。


しかし、これまで実際の車両を用いて行なっていたトレーニングをVRで代替することができれば、時間もコストも両方削減することが可能になる。


また、トレーニング途中に事故を起こすこともないので、安全性を高められるというメリットもある。



サブスクリプション(定額利用)での提供を予定


ベクテルとITIは本システムをサブスクリプション(定額使用)で提供する予定で、世界中の建設企業に同社のサービスの展開を目指している。


複数の企業がトレーニングにVRを導入


VRは従業員のトレーニングにおいても大きなメリットをもたらす。建設現場や繁忙期のスーパー、医療機関などの現場の様子などをバーチャル空間であらかじめ体験しておくことによって、より現場で通用する知識や体験をトレーニング時に得ることができる。


現在、米国やヨーロッパでは複数の企業がトレーニングにVRを採用しており、従来のトレーニング手法を大きく変え、かつメリットをもたらす技術として注目されている。


UPS


グローバル規模の貨物輸送業者であるUnited Parcel Service(UPS)は、同社のトラック運転手のトレーニングカリキュラムにVRを用いたシミュレーションを導入している。VRを用いたトレーニングは9月から、全米の9箇所に同社が保有するドライバー用のトレーニング施設において導入されている。



従業員はHTC Viveを装着し、トラックでの路上走行中に遭遇する危険を再現したシミュレーションを体験する。シミュレーションでは、現実にトラックで走行する路上をリアルに再現した環境となっている。研修生はハンドル型のコントローラーを使って、バーチャル空間内のトラックを操作することができる。


UPSによると、VRがドライバーの安全運転トレーニングにおいて技術的に大きな飛躍となり、また、バーチャル空間に再現された路上環境は、テレビゲームを通じてバーチャル空間に慣れている若い世代のドライバーにも通用する仕上がりになったとのことだ。


ウォルマート



世界最大規模の小売りチェーンのウォルマートはVR開発に力を入れていることで知られており、同社はシリコンバレーにVRとAR開発を行うためのインキュベーターも立ち上げている。


そして同社は米国内にあるすべてのトレーニングセンターにVRを用いたトレーニングシステムを導入するという。米国には、ウォルマートが運営するトレーニング施設「ウォルマートアカデミー」が200箇所もあり、年間15万人の従業員が教育を受けている。


それぞれのウォルマートアカデミーにはトレーニングコンテンツがインストールされたPCとOculusRiftが用意される。トレーニング用のVRコンテンツでは360度映像が使用され、コンテンツには顧客サービスに関するもの、管理業務に関するもの、繁忙期の忙しさをVRで体験できるものなどが含まれる。


実際の店舗で起こる様々な事態をVRであらかじめ体験しておくことで適切な対処を学ぶことが可能で、より実践的なトレーニングが可能になる。


フォルクスワーゲン



自動車業界でもVRを活用する取り組みは行われており、独自動車大手メーカーのフォルクスワーゲンは同社の社員教育にVRを活用している。


VRをトレーニングに用いる取り組みは、自動車業界ではフォルクスワーゲンが史上初となる。また同社が開発したアプリでは、世界中のユーザーが同じバーチャル空間に集まり、共同作業をすることも可能だ。


このシステムはバーチャル空間で車を組み立てる練習をしたり、会議や生産工程のシミュレーションなどにも活用できる。同社はVRだけでなくARの活用についても前向きで、将来は同社のトレーニングシステムにARを活用することを検討している。


参照元:Road to VR Bechtel Partners with ITI to Expand VR Crane Training Capabilities


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