あのロングセラーボードゲーム、『カタン』がVR化！2017年中に発売予定

『カタンの開拓者たち（原題：Die Siedler von Catan）』と聞けば、多くの人は「ああ、あのゲームか」と簡単に思い浮かべることが出来るのではないだろうか。

過去数十年を通じて30の言語に翻訳され、出荷数は2200万部数を超えるという、世界中で有名なロングセラーボードゲームだ。

このボードゲームのVRゲーム版『Catan VR』が制作されることが発表された。

『カタン』のオリジナル版制作元であるクリエイター集団とコラボし、ニューヨークに拠点を構えるVRゲームスタジオ「Experiment 7」が制作を手がける。

『Catan VR』の概要

『カタン』は1995年に発売されたゲームで、幾つかのバリエーションも発売されているものの、基本的なゲームシステムは共通している。プレイヤー人数は3～4人だが、拡張パックの追加などで5人以上でプレイすることも可能となる。

6角形のタイルの組み合わせからなる無人島「カタン」を舞台に、開拓者であるプレイヤーたちは「木材」「麦」「鉄」「羊毛」などの資源を収集しながら開拓を進めていく。

資源は消費することで「家」、「道路」、「街」などの建造物を建設する事が可能。「家」や「街」はポイントとして換算され、1番最初に10点を集めた人が勝者となる。

単に自身の領地を拡張していくだけでなく、時には対戦相手と交渉して資源を獲得したり、特殊効果が期待できる「発展カード」を駆使するなど駆け引きも必要となる。このため『カタン』は全体的に緊張感溢れるボードゲームに仕上がっているのだ。

プレスリリースによれば、『Catan VR』はOculus RiftとGearVRの両方に対応する予定だという。詳しいリリース予定日は公表されていないが、今年度中のホリデーシーズンには発売開始される見込みだ。

現時点では、『Catan VR』のプレイ画像やゲームシステムについてはほとんど明らかにされていない。上記の『Catan VR』のトレーラーでも、VRHMDを装着するシーンで動画が終わっており、ゲームについての詳細は不明のままだ。

ただし以下の2点については判明している。それはまず、プレイヤーが訪れた「カタン」の美しい景色を楽しめるであろうこと、そしてゲームが多人数対応型のマルチプレイモードが設計されているということだ。

景色の方はともかく、「マルチプレイ」の最大人数やオンライン対戦の仕様についてなどが気になるところだ。続報に期待したい。

Experiment 7はこれまでにも『Magic Table Chess』や『Dungeon Chess』などファンタジックな世界観を含み持つVRボードゲームを制作してきた企業だ。

上記の動画を見れば分かるように、一般的な「チェス」を題材としつつもこだわりの伺えるCGを多数配置することで独特の雰囲気をもつゲームに仕上げられている。

Experiment 7のゲーム制作に対するスタイルには、『カタン』オリジナル版の制作者であるKlaus Teuberも少なからず満足している様子だ。

たとえばTeuber氏は次のように述べている。

「最初に私が『Magic Table』版のカタンを見たとき、VRによってもたらされたものに驚嘆しました」

「25年前、私が家族と自宅のリビングルームで制作したゲームがVRゲームになる？信じられないことです。私が最初に（ゲーム制作のために）切り抜き作業に取り掛かったり、新たな土地を冒険するという夢を見始めたとき、カタンの世界に実際に足を踏み入れるなんて想像することも出来ませんでした。」

先にも述べたが、今回の発表で『CatanVR』について明らかになったことは少ない。

ただ、「VRとボードゲーム」という組み合わせはそれほど奇抜なものでもないため、全体的な仕上がりとしてはオリジナル版の『カタン』ファンにも納得のいく製品に仕上がるのではないかと記者は（勝手に）予想している。

たとえば「VRとボードゲーム」の例として、物理演算シミュレーターを活用したチェスや囲碁をプレイできるという『Tabletop Simulator』が挙げられる。駒にルールから外れた動きを取らせることができるなど、VRならではの楽しみ方が味わえる作品だ。

もちろん『カタン』にも物理演算シミュレーターを活用してはどうか、と提案しているわけではない（それはそれで面白そうだが）。そうではなく既存のゲームに「VRならではの面白さ」を付加することで新たなゲームスタイルが登場する可能性があるかも知れない、ということだ。

『カタン』の既存ファンも新規ファンも共に満足させる製品に仕上げられるのか、注目が集まる。

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