![大学生がVR音楽アプリケーションを開発](http://vrinside.jp/wp-content/uploads/59a74fbc3c48d.image_1-650x477.jpg)
大学生がVR音楽アプリケーションを開発
VRデバイスを所有するユーザは増加を続けており、それに応じて販売されるVRゲームの本数も増えている。販売本数が多くなれば開発にかけた費用を回収できるため、大規模な予算をかけた大ボリュームのVRゲームも増えてきた。
しかし、VRアプリケーションの開発は潤沢な予算を投じることのできる一部の大手デベロッパーに限られているわけではない。開発環境を整えるのに必要な費用もまた小さくなっているので、アイデアと技術があれば小規模なチームでもヒットするVRゲームを開発することは可能だ。
チームどころか、個人でアプリケーションを開発することすらできる。ベイラー大学でコンピュータサイエンスを専攻する学生は、自分が興味を持っていたバーチャルドラムアプリを作り上げてトライアル版を公開している。
MoveMIDI
![MoveMIDI](http://vrinside.jp/wp-content/uploads/59a74fbb81e37.image_-650x492.jpg)
Tim Arterburyが開発したMoveMIDI
このVRアプリケーションを開発したのは、ベイラー大学の学生であるTim Arterburyだ。MacでMoveMIDIの設定を行い、PS Moveを動かして目に見えないバーチャルドラムを叩くとスピーカーから音が聞こえてくる。
MoveMIDIの開発
彼は、クールだと思ったからこのアプリを作ったという。
「昔の話になりますが、バーチャルドラム的なものがあればクールだな、と思っていたんです。
私はドラマーではありませんが、ずっとドラムをやりたいと考えていました。しかし500ドルのドラムセットは高すぎて買えず、それを置く場所もありませんでした」
トライアル版の実現
実現したらクールだからというシンプルな理由で開発が始まったMoveMIDIは、いまではトライアル版をウェブで配信するまでになっている。
彼は12月にアパートの一室で開発を始め、ついにここまでたどり着いた。このアプリを試したユーザからのフィードバックを集め、関心を持ってもらうことが配信の狙いだという。
音楽の新しい形
MoveMIDIは、過去のArterbury自身のように「楽器をやりたいけれど、お金や場所がなくてできない」というユーザが新しい趣味を持つために使える。だが、それだけではない。
Arterburyは、このアプリがミュージシャンによる音楽の扱い方を変える可能性もあると考えている。MoveMIDIを使えば、腕を振る動きだけで音をコントロールすることができる。アプリの設定とコントローラーの振り方次第で、いくつものノブを操作するDJと同様のこともできるのだ。
身体を動かすことが見た目に新しいパフォーマンスになることも含めて、音楽パフォーマンスが変わるかもしれない。
他デバイスへの対応
現時点でMoveMIDIが対応しているのは、PS Moveによる操作のみだ。しかしMoveMIDIはPSVRで動作するわけではなく、Mac用のアプリケーションである。
Arterburyは、将来的に他のプラットフォームにも対応させたいと考えている。大規模なチームで開発を進める場合に比べればマルチプラットフォームへの対応には時間がかかるかもしれないが、他のコントローラーによる入力を受け付けることはおそらく可能だろう。
MoveMIDIに対するコメント
![ヒットゾーンを設定する](http://vrinside.jp/wp-content/uploads/hit-mode-650x433.jpg)
自由にヒットゾーンを設定できる
MoveMIDIはArterburyが一人で始めたプロジェクトだが、周囲の人からのフィードバックも反映されている。オンラインでトライアル版を公開する以前に、大学の先生やルームメイトが彼の発明を試しているからだ。
偉大な一歩
ベイラー大学でコンピュータサイエンスを研究する助教授のMichael Poorは、Arterburyを援助している。Arterburyは昨年コンピュータグラフィックスのコースでPoorを受け持っており、現在もプログラムを作り上げるために必要なスキルを身に付けることを助けている人物だ。
「MoveMIDIは非常に創造的なアプリケーションであり、彼が取り組んでいる問題に対する答えです。
音楽を作成するためのクールで新しい方法となり得るポテンシャルを秘めています」
と彼はコメントした。
問題は「いつできるか?」
Arterburyがゼロからこのアプリケーションを構築していく様子を見てきたルームメイト、Collin NewmanはArterburyがこのアプリケーションを完成させても驚かなかったという。
「彼にできることは分かっていましたから、驚きはしませんでした。問題は、『いつできるか?』ということだけでした」
金融と起業を専門とするNewmanは、ルームメイトの発明が広範な人々に影響するものだと考えている。
MacとPS Moveという珍しいハードウェアの組み合わせで使う音楽アプリケーション、MoveMIDIは公式サイトから無料でトライアル版をダウンロード可能だ。
現在は対応ハードウェアが限られているが、Arterburyは他のプラットフォームにも対応したいと考えているし、卒業後は音楽ソフトウェア開発のキャリアを構築していきたいとコメントしている。MoveMIDIが進化していけば、このアプリを使ってパフォーマンスする新時代のミュージシャンが出てくるかもしれない。
参照元サイト名:Waco Tribune-Herald
URL:http://www.wacotrib.com/news/higher_education/baylor-student-develops-virtual-reality-music-software/article_0f06cb51-f409-5a00-8b9f-3059eb22c0f7.html
参照元サイト名:MoveMIDI
URL:https://movemidi.com/
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