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オンラインゲームが米軍の装備開発に使われる


オンラインゲームの戦車

未来の兵器はオンラインゲームでテストされる


自動車や航空機はもちろん銃や戦車も含めて、工業製品の新型モデルを作るときに必要となるのが試作品を製造しての試験だ。


設計者の頭の中では高性能だと思っていた設計が実は扱いにくかったり、そもそも性能が高くないこともあり得る。開発の途中できちんと試験を行い、改善を繰り返して量産に向かっていく。


しかし、プロトタイプの製造には時間もコストもかかってしまう。何度も設計変更を行っていれば、それだけで開発予算をオーバーしてしまうかもしれない。


この問題に対処するためにVR技術を取り入れ始めている企業は多いが、アメリカ軍ではオンラインゲームの中で将来軍に採用されるかもしれない装備のテストを行っているという。


Operation Overmatch


Operation Overmatch


装備のテストにオンラインゲームを使っていると言っても、多くのプレイヤーが遊んでいる人気FPSに登場する武器を実際の軍隊がコピーしようとしているわけではない。


彼らは新たに『Operation Overmatch』と呼ばれるオンラインゲームを開発している。ベータテストの開始は10月の予定だ。


Operation Overmatchの役割


公開されたプレイ画面のスクリーンショットは、一見すると一般的な対人ゲームのようにしか見えない。しかし、このゲームは兵器を操作する兵士と、設計する科学者や技術者を結びつけることを目指して開発が進められているという。


特徴的なのは、プレイヤーの動きを軍の専門家が見られるようになっていることだ。兵士からのフィードバックだけでなくゲームのプレイヤーがどのように兵器を使っているかを知ることで、設計の穴が見えてくる。


欠陥のあるプロトタイプを製造してしまえば再設計と再製造が必要になり、場合によっては数年単位の時間もかかる。一方で、ゲームのユニットならば数分で簡単に能力値を変更でき、大幅な設計変更があったとしてもコストは小さい。


実際にプロトタイプを製造する前のテストをゲーム内で行うことで、テストプロセスを効率化して開発のコストを削減することが可能になるだろう。


兵器の利用法に関しても専門外のゲーマーだからこそ見えることもある。


設計者自身や軍に所属する人間は気づかなかったような新兵器の利用法や、意外な弱点が発見されることもあるかもしれない。ゲーマーが取った戦略が本物の軍隊の作戦で参考にされることもあり得る時代だ。


初期テスト段階


そんな目的を持って開発が進められているOperation Overmatchではあるが、まだゲームとしては開発初期の段階にあることも事実だ。


最近のオンラインに対応した対人シューターでは市街から砂漠、雪山まで多様なマップが用意されている。Operation Overmatchに現時点で用意されているのは市街戦マップのみだ。


都市での利用を想定した兵器のテストに目的が絞られているのかもしれないが、ゲームとしてはボリュームの不足ということになる。


一方で、プレイヤーの部隊に所属する兵士は数千種類の服から好きなものを選んでカスタマイズすることもできるという。


オンラインゲームでは自分の趣味をアピールするために多様なスキンが用意されていることも多く、外見を変更するだけで性能に関係の無い有料DLCを購入するユーザも多い。ここはニーズにあった開発と言えるだろうか。


ゲームやVRを採用する軍隊


Operation Overmatch


America’s Army


軍隊におけるゲームの採用は、これが初めてというわけではない。アメリカ軍公認のシューティングゲーム『America’s Army』シリーズは既に10年以上の歴史がある。


最近でもアップデートが続けられており、無料公開されている最新作ではリアルなだけではなくゲーム性を高める復活要素も採用された。ヘッドショットによる即死判定以外であれば、倒れたときに味方プレイヤーによって回復してもらうことで復帰が可能となっている。


このゲームは完全なPR用だが、VRを使ったトレーニングやARによる兵士への情報提供機能なども開発されているようだ。


陸軍兵士のトレーニング


イスラエルの陸軍では、兵士が地下トンネルを利用するパレスチナ過激派グループと戦うためにOculusRiftやHTC Viveといった一般的なVRデバイスを使ったトレーニングが行われているという。


過去にはトンネルを使って現れた過激派との戦闘で死者や拉致される兵士も出ているので、事前にシミュレーションして被害を抑えることは重要になる。


没入感の高いVRシミュレーションだけでなく、ARを使ったトレーニングや兵士の補助も研究されている。


AR映像を使えば、動かない的よりもリアルな目標を相手に射撃訓練を行うことができる。


実戦での利用


また、トレーニングだけでなく実戦でVR/ARを活用することもできそうだ。


AR技術を使えば、艦船の位置や速度を織り込んだ計算結果を元にした照準を兵士の視界に表示することも可能になる。計算結果を無線で伝えるよりも直感的で、敵味方の射撃音にかき消されて指令が聞き取れない心配も無い方法だ。


あるいは、VRによって見えないはずのものを見ることもできる。戦車から身を乗り出して周囲の様子を確認するのは危険だが、VRヘッドセットとカメラがあれば外に出ることなく360度の視界を得ることが可能となる。


 


軍隊の力となるのは兵士(人間)だが、最新の技術があれば味方の被害を抑えることに繋がるかもしれない。


VRを使ったトレーニングでは危険への対処を学べ、無人機を遠隔操作すれば危険な場所に近づくことも避けられる。


戦争が無くならない以上、今後も軍隊での最新技術の利用は進んでいくだろう。


 


参照元サイト名:Task and Purpose

URL:http://taskandpurpose.com/army-video-game-operation-overmatch/


参照元サイト名:Stars and Stripes

URL:https://www.stripes.com/news/us/army-s-future-tanks-guns-put-to-test-in-online-video-game-1.484678#.WaPOLihJaUn


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