海外メディアRoad to VRは、VIVEの値下げに関するHTCスポークスマンの発言を紹介した。
アクセサリーの普及をはかるHTC
二度にわたるOculusRiftの値下げを尻目に、当初の価格を維持していたVIVEがついに値下げしたことは、本メディアでもすでに報じている。
この値下げは、ふたつの憶測を呼んだ。ひとつは、VIVEの値下げはOculusの値下げ戦略に対抗したものなのか、という憶測である。ふたつめの憶測は今回のVIVEの値下げは次世代VIVEをリリースする布石なのか、というものである。
ふたつめの憶測に関しては、海外メディアUploadVRがHTC社のコミュニケーション部門ヴァイス・プレジデントPatrick Seybold氏に問い合わせたところ、在庫を一掃したり、新製品の準備をするためのものではないとコメントしたことで、否定された。
ひとつめの憶測については、Road to VRが同社スポークスマンに問い合わせたところ、以下のようなコメントをえた。
今回のVIVE値下げは、OculusRiftの値下げに対するリアクションではありません。
ただ単に、VIVEをリリースしてから2度目の年末商戦(すなわち2017年末)までに、VIVEの売り上げを加速するために適切なタイミングで値下げする予定がもともとあって、その予定が実行されたにすぎません。
同スポークスマンは、さらに今回の値下げの意図について以下のように説明している。
値下げしたVIVEとなら、ユーザーはいっしょにVIVEトラッカーやデラックス・オーディオ・ストラップも買えるでしょう。
今回の値下げは、ユーザーがVIVE本体といっしょにアクセサリーを買いやすくすることで付加価値を高め、VR体験の幅とすそ野を広げるためなのです。
同メディアは、さらに次世代VIVEについてのコメントを求め、以下のような発言を引き出した。
わが社は、当分のあいだ既存のVIVEを市場に流通させるつもりでいます。
というのも、わが社の現在の目標は、引き続きVIVEを改善し続け、エコシステムを確固たるものにすることだからです。そうすることで、ユーザーと開発者がいっしょになってVRのポテンシャルのすべてを実現できるでしょう。
VIVEのポテンシャルを拡大するアクセサリー
HTC社がその普及のために舵を切ったVIVEトラッカーとデラックス・オーディオ・ストラップとは何か。このふたつのアクセサリーに関しては、すでに何度も本メディアで報じているので、以下にまとめる。
VIVEトラッカー
VIVEトラッカーとは、VIVEを使うことによって生じるVR空間内にリアルに存在するユーザーやモノの動きを反映させるモーション・トラッカーのことである。今年はじめに開催された世界最大の家電見本市CESで披露されるすぐに注目をあつめ、開発者が様々なデモを試みた。
そうしたデモ動画として、本メディアではバッティング・トレーニングシステム「DiamondFX」を紹介した。
VIVEトラッカーの大きな可能性として考えらているのが、ユーザーのカラダに装着してフルボディ・トラッキングを実現することだ。フルボディ・トラッキング自体は、既存の専用ソフトウェアで実現できるのだが、同デバイスを使う場合、専用ソフトウェアを使うにに比べて圧倒的に安くなるというメリットがある。そうしたVIVEトラッカーを使ったフルボディ・トラッキングシステムにはIKinema社のOrionがある。
以上のような同デバイスを使ったフルボディ・トラッキングに関しては、すでにHTC社からソースコードが公開されている。
そして、同デバイスはすでに日本で商用化されている。今年オープンしたVRアーケード「VR ZONE SHINJUKU」のアトラクションのひとつ「ドラゴンボールVR 秘伝かめはめ波」のモーション・トラッキングに使われているのだ。その様子は、同アーケードの公式動画でも確認できる(以下の動画の再生後50秒あたり)。
なお、同デバイスはVIVE公式サイトから1個¥12,500で購入できる。
デラックス・オーディオ・ストラップ
デラックスオーディオストラップはマルチなシチュエーションに対応した、アップグレードしたVR体験が快適に楽しめる、オーディオ付きストラップだ。
同デバイスを使えば、360°のリアルなサウンドでVRへの投入感が格段にアップする。主な特徴を列挙すると以下の通りになる。
- ・使いやすいサイド調節ダイアルと両面構造
- ・高さとアングル調整ができるイヤーヘッドフォン付属
- ・ケーブル接続不要な設計
デラックス・オーディオ・ストラップもVIVE公式サイトから¥12,500で購入できる。
以上のようにVIVEトラッカーとデラックス・オーディオ・ストラップが「準標準アクセサリー」となれば、VIVEでよりリッチなVR体験が可能となる。今回のVIVE本体の値下げ以降、VIVEトラッカーを活用したゲームタイトルが増えるかも知れない。
VIVEの値下げに関するHTCスポークスマンの発言を紹介したRoad to VRの記事
https://www.roadtovr.com/htc-vive-price-reduction-reaction-to-oculus/
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