VRは音楽においても大きなメリットをもたらす技術で、VRを用いたミュージックビデオや、ソーシャルVRを活用してバーチャル空間で音楽ライブを共有するシステムなど、様々な取り組みやコンテンツが登場している。
これらはあくまでも音楽を楽しむための手段としてVRを用いるものだが、トラックメイカーやDJなどの音楽を制作する側が、バーチャル空間の中に没入して楽曲制作を行うアプリ「AliveInVR」が登場した。
コントローラー操作による直感的な操作によって楽曲を制作することができるので、トラックメイカーやミュージシャンは、より直感的で没入できる環境で音楽を制作、演奏することができる。
「AliveInVR」について
概要
「AliveInVR」はバーチャル空間をプラットフォームにした楽曲制作ツールだ。
このアプリはプロ向けの楽曲制作ソフトウェア「Ableton Live」の機能をバーチャル空間内で使用できるようにするもので、「AliveInVR」の動作には「Ableton Live」をあらかじめインストールしている必要がある。
「Ableton」は楽曲制作が主目的のソフトウェアだが、DJやライブパフォーマンスなどの幅広い音楽活動に対応しており、その機能性の高さと安定性、20年近い歴史による信頼によって、世界中の様々なミュージシャンが使用しているソフトウェアだ。
「AliveInVR」でも、Abletonの高い機能性を活かしたパフォーマンスが可能で、ユーザーはさまざまなサンプルを組み合わせて楽曲を作ったり、バーチャル空間内で楽器を演奏したり、楽曲をミックスすることも出来る。
これらはコントローラー操作によって行うので操作が直感的で、従来の複雑なインターフェイスから解放され、より自由な環境で、楽曲制作のプロセスを効率化することができる。
また、本アプリではバーチャル空間のどこにでもトリガーを設置できるので、ユーザーのニーズに応じてインターフェイスをカスタムすることも可能だ。
特徴
現在使用できる「AliveInVR」はアーリーアクセス版だが、Abletonを活かした様々な機能を使用することができる。
たとえば「Note Mode」ではドラム型のラックを用いて音楽を演奏することができるほか、「Mixer Mode」ではトラックのレベル調節や、センド/リターンなどの機能が使用できる。
バーチャル空間内に設置されたカメラにより、ライブ映像をストリーミングすることも可能。バーチャル空間内の環境は昼間のように明るくしたり、ナイトモードにすることもできる。
また、VRコンテンツはGPUの消費が激しいが、「AliveInVR」は低消費率のGPU稼働によって動作するように設計されている。
アプリにAlbeton Liveは同梱されておらず、別途で本ソフトウェアを購入するか(Abletonはプロ向けのソフトウェアなので高価)、もしくはすでにAbletonを導入しているトラックメイカーや、DJ向きのアプリとなる。
様々なアーティストやミュージシャンによって制作された作品が数多く登場することによって、バーチャル空間で音楽やライブを楽しむ方法は徐々に普及しつつあるが、VRを活用した音楽を演奏したり、ライブパフォーマンスを行うアーティストはまだ少ない。
しかし、様々なクリエイターがVRを活用してハイクオリティな作品制作をするようになれば、VRが作品制作にもたらすポテンシャルが知れ渡るきっかけになるだろう。
「AliveInVR」は現在Steamにてダウンロード可能で、HTC Vive、OculusRiftに対応している。価格は1,280円。
アーリーアクセス版について
アーリーアクセス版は、リリースからおよそ6〜9ヶ月間の公開を予定しており、この間にユーザーからのフィードバックを得ながらアプリの機能追加、改善を行なっていく予定。
フルバージョンではアーリーアクセス期間中にユーザーから得たフィードバックを基にしたアップデートを行う予定で、他のVRプラットフォームも追加サポートする予定とのこと。
価格については、フルバージョンのリリース後も価格変更の予定はないが、追加されるアップデートの内容によっては変更の可能性もあるとのこと。
システム要件
「AliveInVR」の必要スペックは以下の通り。
OS | Windows 7 SP1 or newer |
---|---|
プロセッサー | Intel® i5-4590 / AMD FX 8350 equivalent or greater |
メモリー | 4 GB RAM |
グラフィック | NVIDIA GeForce® GTX 970 / AMD Radeon™ R9 290 equivalent or greater |
ストレージ | 300 MB 利用可能 |
参照元:VRScout
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