VRでモデリングやペインティングができるツールは様々なものがリリースされており、これらを活用してバーチャル空間の中で様々なコンテンツを製作できる。
操作がシンプルで、直感的に使えるものが多いので、プロのクリエイターからアマチュアまで様々な人が使用することができる。
アーティストのNick Ladd氏はVRペインティングツール「Quill」とアニメーションソフト「ANIMVR」を用いて、バーチャル空間内での作業のみでアニメーションを製作した。
概要
VRで製作したアニメーション
Ladd氏が単独で製作したアニメーション「Escape」は1分以内の短編アニメーションで、作中に登場する風景やオブジェクトはペインティングツールの「Quill」によって描き、アニメーションの追加は「ANIMVR」を用いて行ない、製作期間は数日間とのこと。
短編でありながらも建物や風景、車やヘリコプターなどのオブジェクトが丁寧に描き込まれていて、アニメーションの動きもストーリーを把握する程度には申し分のないものだ。
VRクリエイターツールはペイントやデザイン、アニメーションの製作など、様々な領域で活用することが可能で、これらのツールによって、プロ、アマチュア両方を含む多くのクリエイターが作品を製作しやすくなる。
「Quill」について
Ladd氏が製作にあたって使用した「Quill」はOculusの開発によるペイントツールで、Oculus Touchコントローラーで動作する。
「Quill」はアニメーション製作にも有効なツールで、本ツールを用いて製作したVRアニメ「Dear Angelica」は約15分のVRショートフィルムだ。手書きのクオリティにこだわった洗練されたビジュアルは様々な映画祭で話題になった。
「Dear Angelica」はJessicaという若い女性とその母Angelicaとの関係から、大切な人との思い出が幻想的に映し出されるという内容で、今年1月に開催されたサンダンス映画祭にてプレミア公開された。
その他にも2017年エミー賞にもノミネートされるなど、多くの脚光を浴びたVR映画だ。
「ANIMVR」について
「ANIMVR」はバーチャル空間内のオブジェクトに動きを追加してアニメーションを製作できるソフトウェアだ。
アニメーション製作において使用する典型的な機能をバーチャル空間で使用することが可能で、たとえばフレームやオニオンスキン、複数のタイムラインなどを使用して、コントローラー操作による直感的な操作でバーチャル空間内でアニメーション作品を製作できる。
「ANIMVR」は現在クローズドベータテスト中で、近日公開を予定している。OculusRiftとHTC Viveに対応しており、SteamやViveport、Oculus Storeなどのプラットフォームにて配信予定。
ハイクオリティな制作ができるVRクリエイターツール
現在、バーチャル空間でペインティングやデザイン、モデリングができるソフトウェアが複数リリースされており、ビジネスでも活用できるハイクオリティな作品を製作できるソフトウェアが複数リリースされている。
「Gravity Sketch」
「Gravity Sketch」は3Dモデルのデザインツールで、バーチャル空間の中でコントローラーを操作して精巧な3Dモデルを作成できる。
3Dモデルやデザイン、風景、アートワークなどの様々な作品を素早く制作することが可能で、直感的に操作できる。
「Gravity Sketch」にはプロの使用を前提とした様々な機能が盛り込まれており、たとえばバーチャル空間の中で線を用いて描画できる他、平面や曲面を展開したり、スケッチを加えたり、図形のグリッドを操作して自由に形を変えたり、制作したオブジェクトを他のデザインソフトで読み込むことなどができる。
「Gravity Sketch」は使用するユーザーの環境に応じて利用できるバージョンが異なり、詳細は8月5日の記事にて確認できる。
「MakeVR Pro」
「MakeVR Pro」は3Dコンテンツを製作するためのソフトウェアで、バーチャル空間内でモデリングを行える。
公式サイトでは、本ソフトウェアを使用することで、ユーザーの年齢や経験にかかわらず誰でも専門的なCADエンジンに触れて、3Dオブジェクトと3Dの世界を作り始められるようになる、と謳っている。
スマートフォンやタブレットを操作するのとほぼ同じ感覚で3Dモデリングを制作する事が可能で、製作したオブジェクトを手軽に3Dプリント出力することもできる。
「MakeVR Pro」はHTC Viveでの動作に対応しており、Viveportにてダウンロード可能。
参照元:Road to VR
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