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クラウドファンディング中のスマートメジャー「Cubit」
プロのデザイナーや建築家にとって、デジタルで設計図を管理したり作業を始める前にバーチャルでシミュレーションを行ったりするのは珍しいことではない。
しかし、日曜大工で家具作りや模様替えをするときにそこまでする気力とスキルを持った消費者は多くないだろう。
PlottがIndiegogoで資金を募っているスマートメジャー「Cubit」があれば、現実の長さを簡単に測定してアプリに取り込み、スマートフォンアプリを使ってシミュレーションが可能となる。
Cubit
クラウドファンディング中のCubitは、高精度なセンサーによって物体の長さを簡単に測定できるスマートメジャーだ。
Cubitを使えば、複雑な計算なしで家具の大きさを決めたり、絵画を等間隔に配置したりすることができる。
用途
クラウドファンディングページでは、壁に絵を飾るときにCubitを使う様子が動画で示される。
絵を等間隔に並べるには壁の長さや一枚の絵の大きさを測って計算する必要があるが、Cubitとスマートフォン用のアプリを使えば計算は不要だ。
想定されている用途には次のようなものがある。
- ・家具のレイアウト
引っ越しで新しい部屋に移るときや模様替えをするとき、Cubitがあれば簡単にレイアウトを決めることができる。
部屋の寸法と棚やソファ、テレビ、観葉植物の大きさをCubitで測定し、アプリでシミュレーションしながら配置を試すことが可能だ。 - ・壁に並べる
絵や写真を壁に飾るなら、きちんと等間隔に並べたほうが格好が良い。Cubitを使えば、金槌で壁掛け用のフックを打ち込む前に正確に位置決めができる。
棚や時計を取り付けるときも、アプリを使えば壁を傷つけることなくバーチャルでシミュレーション可能だ。 - ・壁掛けフックの場所を決める
テレビや大きな写真を壁に取り付けるつもりなら、複数のフックを使って支えなければ安定しない。
Cubitのアプリは、壁にかけるオブジェクトの大きさや形を自由に変えてフックの位置を決めるときにも利用できる。 - ・間取り図の作成
Cubitを使えば、複雑な測定も曖昧な推測も無しで正確な間取り図を作成できる。 - ・その他
スマートメジャーの活用法は、ユーザ次第でさらに広がる。
大工仕事のようなDIYだけでなく、他の趣味に用いることもできるだろう。
センサー
Cubit本体には、物体の大きさを測るための三つのセンサーが搭載される。
二つはレーザーによる測定を可能とするセンサーだ。垂直方向と水平方向用にそれぞれセンサーが用意されているので、正確に縦と横の長さを測定できる。
各レーザーは100フィート(30メートル)までの測定が可能で、誤差は30フィート(9メートル)あたり1/8インチ(0.4センチ)以下だという。
動かすことができないもの、まっすぐで形の決まったもの(部屋、壁、洗面台など)の測定に適している。
もう一つはスマートホイールセンサーだ。
まっすぐではないものの長さを測るには、本体をその物体に沿って滑らせれば良い。ゴム製のホイールが付いているので、滑らかに滑らせることができる。
こちらの誤差は0.02%以下とされている。
ディスプレイ
Cubitのディスプレイには測定した長さやバッテリー残量といった情報が表示されているだけでなく、ユーザを必要な場所に誘導するガイドの役割も果たす。
アプリでデザインを決めたら、Cubitのガイドに従って移動することで家具を設置する場所を判断できる。
スマートフォンアプリ
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アプリで配置をシミュレーションする
Cubitのアプリでは、測定した実際の寸法を元にバーチャルでシミュレーションを行う。MR技術により、完成後のイメージを見ながら調整することを可能にする。
釘やノコギリを使ってしまってからでは取り返しがつかないため、事前に調整して位置を決めておくことが必要だ。
ワイヤレス連携
Cubitで測定したデータは、Blutoothを使ってリアルタイムでスマートフォンに送信され、蓄積されていく。
測定したものの写真を撮影して設定すれば、よりリアルなシミュレーションが可能だ。
複数オブジェクトの配置
大きさが異なる複数の絵を並べる場合や壁掛け式のテレビと棚を並べる場合など、配置を簡単に選ぶことができる。
上下いずれかの端を揃えて水平に並べるのも、縦に並べるのもユーザの好み次第だ。
壁の中央に合わせての配置なども、複雑な計算をせずに行うことができる。
デザインの共有
作成したデザインを共有することもできるので、作業に入る前に家族と相談するときにも使うことができる。
ダウンロードして編集できるテンプレートデザインも用意されているため、それを元に写真を組み合わせてデザインを作る使い方にも対応する。
クラウドファンディング
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Cubit単体は49ドル
Indiegogoでクラウドファンディングを実施中のCubitは、3万ドル(330万円)を目標としている。
現状
期間は25日が残っており、これまでに集まった金額は7,574ドル(83.7万円)だ。
まだ目標金額の25%にしかなっていないが、日数に余裕があるので目標に到達することも考えられる。
また、このキャンペーンではフレキシブルゴールのシステムが採用されている。
目標に到達しなければ投資が行われない方式とは異なり、目標に届かなくてもそれまでに集まった金額がチームに渡ってCubitが製造される。
報酬
資金を提供した支援者への報酬はCubit本体のみであり、1台(49ドル)または少しお得な2台(90ドル)のプランが用意されている。
製品化後の希望価格は99ドルなので、今ならほぼ半額で手に入ることになる。
他に送料は必要だが、アメリカ国外への配送も可能で1台ならば5,500円だ。配送は今年の11月を予定している。
キャンペーンページではMixed Realityという言葉が使われているものの、Cubitで可能になることはスマートフォンのモバイルARに近い。
AppleのARKitやGoogle Tangoを使ったARメジャーアプリよりも測定の精度が高いため、家具を並べ替えるだけの模様替えではなく本格的なDIYで使うユーザに適しているだろう。
参照元サイト名:Indiegogo
URL:https://www.indiegogo.com/projects/cubit-smart-measure-tool-with-drag-drop-design#/
参照元サイト名:VR And Fun
URL:https://www.vrandfun.com/meet-cubit-mixed-reality-virtual-design-tool/
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