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成長するAR市場、2023年までに610億ドル市場に成長との予測



コンサルティング企業Markets and Marketsが、AR市場の現在の動向と、これからの成長に関するレポートを発表した。


それによると、AR市場は2016年の時点で23億9,000万ドル(約260億円)市場であるが、2023年には613億3,900万ドル(約6兆8,000億円)市場に成長すると予測している。


成長するAR市場


装着型ARデバイスのニーズは上昇


レポートによると、現在AR機能を搭載したスマートグラス、もしくはヘッドセットの需要が高まっており、これらはおもにヘルスケアやリテール、eコマースなどの領域において特に需要が高い。


現在、ARヘッドセットやスマートグラスを様々な領域において活用する実験が行われているが、装着型ARデバイスはまだ開発段階にあるのが現状だ。


今年1月にラスベガスで開催されたCES 2017においてはARヘッドセットを用いた様々な取り組みが紹介され、航空機や自動車のナビゲーションなどにおいてマップやスピード、その他様々な情報をAR表示することによって、パイロットやドライバーが視界から注意をそらさずにこれらの情報を確認できる技術が紹介された。


徐々にではあるが、装着型ARデバイスの実用化の動きは加速しつつある。


ゲームとエンターテイメントを中心に成長


現在、ビジネス市場でもARヘッドセットの需要は高まっており、最近の例ではグーグルグラスが「Enterprise Edition」としてビジネス向けモデルとして発売されたのは記憶に新しい。


これによって従来の製造業や工場での作業、倉庫作業やデザインなどの現場作業にARグラスを用いることによって、コスト削減やプロセスの簡易化が容易になった。


また、Markets and Marketsによると、eスポーツやゲームの領域でもARヘッドセットを活用する動きが増えており、この分野では既に実用化が始まっている。


したがって、AR市場はゲームとエンターテイメントを中心に成長していくと考えられるが、スマートフォン/タブレットを用いたARも含めると、アップルが開発したAR開発キット「ARKit」によってARアプリの開発が容易になり、普及率の高いiOSデバイスでARが使えることになったことで、ARの普及速度は上がりそうだ。


将来、アジアがAR市場を牽引する?


現在、AR市場を牽引する企業は、そのほとんどが欧米企業で、たとえばGoogleやMicrosoft、Appleなどの大企業をはじめ、Magic LeapやDAQRI、MetaやBlipparやWikitudeなどのスタートアップが挙げられる。


これらの企業はアメリカ、もしくはヨーロッパを拠点にする企業であるが、レポートによると、今後AR市場の勢力圏は欧米からアジアへ移行すると予想しており、中国や日本、インドや韓国の企業が今後追い上げてくる可能性が高い。


スマートグラスを活用できる分野


現在、ARヘッドセットやスマートグラスを活用する企業は数多くあり、その多くは実験段階ではあるが、エンターテイメントでは既に実用化もされており、今後様々な業種にARが取り入れられていくだろう。


遠隔作業支援



スマートグラス「Blade 300」の開発で知られているVuzixは、KDDI総合研究所が開発、提供する遠隔作業支援用のソフトウェアにスマートグラス「M300」を提供することを発表し、これはKDDIが提供する「Vista Finder Mx」のオプション機能として活用する。



Vista Finder Mxとは、スマートフォン、タブレット、モバイルPC、スマートグラスなどで撮影した現場の映像を、あらゆるネットワーク回線を使って、安全かつ高品質に共有できる遠隔作業支援システムだ。


従来の作業指示にウェアラブル端末を取り入れることによって、ハンズフリーな情報伝達、ARを用いた直感的な作業指示など、多彩な機能を使うことができる。


スマートグラス「M300」を用いたサービスは2017年8月1日から提供する予定。


エンターテイメント



エンターテイメント分野ではARヘッドセットを用いたサービスが実用化されており、秋葉原の「スリーモンキーズカフェ秋葉原店」にて、ARを用いたスポーツアトラクション「HADO」が初展開される。


プレイヤーはARヘッドセットを装着して、全身を動かすことによって世界初のARスポーツアトラクションを体験できる。


体の動きに応じてCGデータが生成され、実際の空間に重なり合うので、まるで自分が実際にエナジーボールを撃っているかのような感覚でプレイできる。


「HADO」は8月1日より秋葉原で初展開される。


接客サービス



ニュージーランド航空は、MicrosoftのARヘッドセットHoloLensを用いて機内での接客サービスにARを取り入れる実験を行なっている。


客室乗務員が装着するHoloLensには乗客に関する様々な情報が表示され、それによって正確で行き届いたサービスの提供を目指すものだ。


表示されるデータとして、その乗客がこれまでの食事や飲み物に関するオーダー履歴や、目的地、これまでの搭乗履歴などが表示できる。


また、表情認識技術を用いて、その乗客が今どのような感情を抱いているかを数値として把握することもできるという。


もちろん、実際の搭乗の際に客室乗務員がHoloLensのような巨大なデバイスを装着していたら乗客は驚いてしまうが、スマートグラスは軽量化、小型化も進んでおり、将来的には客室乗務で十分使うことのできるスマートグラスもそう遠くないうちに開発、提供されるはずだ。


参照元:VRFocus


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