2017年度エミー賞ノミネート作品が発表され、VRコンテンツが3作品もインタラクティブ・メディア・オリジナル賞にノミネートされた。
同カテゴリーの60%を占める割合でVR作品がノミネートされており、VRの普及度がうかがえる結果となった。
Oculus Story Studio、2度目の受賞となるか、注目が集まっている。
概要
Television Academyが第69回目となるエミー賞ノミネート作品のリスト公開し、オリジナルVRコンテンツが3作品もノミネートされていることがわかった。
今回ノミネートされた3作品は以下のとおりだ。
- ● Dear Angelica by Oculus Story Studio
- ● Mission:ISS by Magnopus
- ● The People’s House –Inside The White House With Barack And Michelle Obama by Felix &Paul Studios
すべてのVR作品が同じインタラクティブ・メディア・オリジナル賞にノミネートされている。
同カテゴリーにはこの3作品を含む合計5作品がノミネートされており、VRコンテンツが60%を占めるという、驚きの結果となった。
エミー賞にVR作品が登場するのは今回が初めてではない。
VR作品が初めてエミー賞を受賞したのは2015年で、Foxのシリーズ「Sleepy Hollow」がユーザーエクスペリエンスとビジュアルデザインの2部門で賞を受賞している。
また同年度にはTaylor Swiftのミュージックビデオ”Blank Space”をベースに作られたスマートフォンとタブレット向けの360°ビデオ「AMEX Unstaged: Taylor Swift Experience」も今年VR作品がノミネートされたカテゴリーと同じインタラクティブ・メディア・オリジナル賞を受賞している。
Dear Angelica
Dear AngelicaはOculus Story StudioのWesley Allsbrook氏とSaschka Unseld氏が制作したオリジナルVRストーリーで、今年の1月にSundance映画祭でプレミア公開されたばかりだ。
Oculus Story Studioの作品がエミー賞にノミネートされるのは今回が初ではなく、2016年には元PixarでMonster Universityなどを担当したRamiro Lopez Dau氏が監督を務め、ロード・オブ・ザ・リングなどのElijah Wood氏がナレーションを務めたハリネズミのストーリー「Henry」がDear Angelicaと同じインタラクティブ・メディア・オリジナル賞にノミネートされ、賞を受賞している。
Dear AngelicaもSundance映画祭でプレミアを行って以来、好評で、実力のあるOculus Story Studio制作とあり、ノミネートは納得の結果といえる。
15分間のこのコンテンツはVRドローイングツール「Quill」を使って描かれたもので、手書きのクオリティにこだわった美しいビジュアルがすでにいろんなところで称賛されている。
Jessicaという若い女性とその母Angelicaとの関係から、大切な人との思い出が幻想的にうすし出される。
Oculus Story Studioは5月に閉鎖されており、この作品が公式的に最後の作品となっている。
そのことをうけ、Oculus Story Studioのエミー賞2連覇となるか注目が集まっている。
Mission:ISS
Mission:ISSはNASAとEuropean Space Agency、Canadian Space Agencyのコラボレーションで制作された、リアルスペースシミュレーションだ。
コンテンツの制作はロサンゼルスのスタジオ、Magnopusが行っている。
ヒューストンのNASA宇宙センターで働いている現役の宇宙飛行士とNASAのVRラボが制作に携わり、NASAの宇宙ステーションを完璧にVRで再現している。
現在たった500人しか訪れたことない、宇宙ステーションからの眺めを楽しめる。
Touchコントローラーでドックを開けたりなど手を使った操作で、無重力でのミッションを達成していく。
さらに、コンテンツを進めていくとNASAの宇宙ステーションの歴史を学べるところもあり、教育的にも充実したコンテンツだ。
The People’s House – Inside The White House With Barack And Michelle Obama
The People’s Houseはアメリカ元大統領と元ファーストレディのBarack Obama氏とMichelle Obama氏が世界で最も有名な家、ホワイトハウスを案内してくれる、22分間のVRツアーコンテンツだ。
撮影はObama氏が任期を終える少し前の11月と12月の5日間わたって行われ、元大統領が10年近くを過ごしたホワイトハウスでの思い出などを交え、オーバルルームやローズガーデンなど有名な場所を案内してくれる。
制作したFelix &Paul Studiosは2016年にもデイタイムエミー賞のインタラクティブ・メディアとオリジナル・デイタイム・プログラムに、「Inside Impact: East Africa」と「Inside the Box of Kurios」でノミネートされており、最終的にデイタイムエミー賞を獲得している。
今回は同スタジオ初となるプライムタイムエミー賞へのノミネートとなった。
デイタイムとプライムタイムエミー賞の違い:デイタイムはその名のとおりデイタイム(昼間)に放送するコンテンツが対象になる。そのため昼ドラマやトーク番組がノミネートされることが多い。
対してプライムタイムはプライムタイム(夜間)の番組がおもに対象となる。一般的にエミー賞といえばプライムタイムエミー賞のことで、今回のVR作品はどれも時間帯関係ないコンテンツのため、通常のエミー賞とカウントされているのだと思われる。
参照元URL: http://www.prweb.com/releases/2017/07/prweb14508999.htm, http://www.emmys.com/events/69th-emmy-nominations-announcement, https://www.oculus.com/blog/rift-in-space-missioniss-launches-today/
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