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VRコンテンツの新フォーマット「VR180」の特徴とは?「180°動画」のメリットとコンテンツの可能性


世の中に新しいデジタルデバイスが爆発的に普及していくとき、それまで普及していた旧型デバイスより、機能的に退化してしまう…ということがある。


たとえば、ポータブル音楽プレイヤーは、据え置き型のコンポと比べれば音質的には悪い。


しかし、その利便性から爆発的に普及した


スマートフォンも、PCと比較するとスペック的には貧弱でできることも少ないが、携帯性や起動の速さといった利便性から爆発的に普及した。


どうしても、より高機能なものほど普及しそうなイメージがあるが、実際に普及するためには、機能的なリッチさより、利便性などその他の要素の方が重要ということだろう。


もしかすると、VRデバイスの普及にもこれが当てはまるかもしれない


そう思わせてくれるのが、GoogleがYouTubeとともに発表した新しいVRコンテンツフォーマット「VR180」だ。


 


あえて360°描写しない!180°前面だけを描写するVR「VR180」


VR VR180 180°動画

「VR180」とは、コンテンツ体験者の前面180°だけを描写するというVRコンテンツフォーマット。


一般的なVRコンテンツでは、コンテンツ体験者の前面に背面も加えた360°を描写する。


このため、「VR180」はこれまでのVRコンテンツと比べて半分しか描写しないということになる。


これだけを見ると、これでのVRコンテンツから「退化」したように見えてしまうが、そうではない


「VR180」のメリットはコンテンツ制作の障壁を軽減することと高画質


「VR180」がもたらすメリットのひとつは、高画質であること。


考えてみればこれは当然のことで、描画する範囲が半分に減っている以上、同じデータサイズでより高い画質を実現できるということになる。


また、VR180動画を撮影するための機材が、360°動画を撮影するための機材より安価という点もメリットだ。


加えて、360°動画よりもコンテンツ制作の手間が少なくなっている


360°動画を撮影する場合、これまでのコンテンツ制作では考えなくてよかった問題への対応を迫られるケースがある。


たとえば、カメラマンの姿をどうするかという点で、映像に360°映ってしまう以上、映像にカメラマンも入ることになる。


スポーツの自撮り映像のように、演者=カメラマンなので映像に映り込んでも問題ないという場合はさておき、そうでない場合はカメラマンの姿をどう隠すか、或いは後から消去するかで頭を悩ませることになる


この点、「VR180」ならば、カメラマンは映像に反映されない背面180°にいればまったく問題がない


まとめると、「VR180」は、前面180°しか描写しないという割り切りの代わりに、画質のよさとコンテンツ制作の容易さというメリットを持っているというわけだ。


 


もうすぐ入手可能!「VR180」撮影用カメラ


「VR180」を撮影するためのカメラは、複数のメーカーから発売が予定されている


発売が早いものは、この夏の発売が予定されているため、夏には「VR180」コンテンツの制作に取り掛かることが可能だ。


年末には、Youtubeに「VR180」コンテンツが溢れるているかもしれない…!?


LucidVR「VRCam」



ベンチャー企業LucidVRが8月に発売開始予定の「VR180」撮影用カメラが「VRCam」だ。


正面に2つのレンズがついており、このレンズを通して前方180°を3Dで撮影可能


撮影した映像は、もちろんYoutubeにアップロード可能だ。


【関連記事】

VRカメラに「180°動画」という新しい選択肢!VRCam発売


Lenovo’s VR180 Camera



PCメーカーのレノボも、「VR180」撮影用カメラの開発を発表している。


こちらはグーグルのDaydreamチームと共同開発とのことで、当然ながらYouTubeへのアップロードに対応する模様


再生可能なデバイスとしては、Cardboard、Daydream、プレイステーションVR(PSVR)が発表されている。


 


「VR180」にはVRゲームでの活用にも可能性が!?



「VR180」というコンテンツフォーマットは、VR動画のために作られたフォーマットだ。


しかし、VRゲームにおいても活用の可能性があるように感じられる


…というのも、ゲームによっては背面180°を振り向く必要がないものも多いためだ。


たとえば、PSVRで配信中の「バイオハザード7」の前日譚、「KITCHEN」は主人公が椅子に括りつけられた状況で遭遇する恐怖を味わうというVRコンテンツだ。


「KITCHEN」は360°を見回すことが可能になっているが、主人公が椅子に括りつけられているという身体が自由に動かせない状況なので、仮に背面180°を振り向くことができなかったとしてもさほど違和感はなかっただろう


或いは、後ろを見ようとすると、何者かに頭を押さえられてしまい、後ろを振り向けない…という形でも違和感は少ない。


基本的にゲームというコンテンツは、プレイヤーが攻略して進んでいく…というコンテンツ特性上、プレイヤーの対処が必要なものはプレイヤーに認識させなければならない


このため、プレイヤーの知覚できない画面外(=背面)で、あえて何かを描写するという必要性は高くない


したがって、コンテンツの作り方次第では、VRゲームにおいても「VR180」というフォーマットにならったコンテンツで、プレイヤーに高い体験価値を与えるコンテンツが作れそうだ。


 


小型化が進めばVRが国民的コンテンツになる日がくる!?


スマートフォンが普及した今では、今日のお昼ご飯をちょっと動画撮影…といったことが気軽に行えるようになった。


しかし、スマートフォンが普及するまでは、動画といえば高額なビデオカメラが必要。


フィーチャーフォン(ガラケー)でも動画撮影はできたものの、あまり画質がよくなかったため、動画撮影は今ほど気軽なものではなかった。


「VR180」によって、VR動画制作の敷居が下がれば、スマートフォンが「気軽な動画撮影」をもたらしたように、誰もが気軽に「VR180」動画を撮影する未来がくるかもしれない


特に、技術が進歩していけば「VR180」用カメラは小型化する可能性が高い


そうなれば、スマートフォンに「VR180」用カメラ機能が標準搭載される日もくる。


その時は、スマートフォンを持つ全員がVRコンテンツ配信者になるだろう。


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