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現実のようなVRを2017年に達成しようとするスタートアップ


人間の目

人間の目は非常に高い解像度まで見分けられる


VRが人間の目を騙して現実だと感じさせることができるようになるまでには、長ければ20年以上がかかるかもしれないと考えられている。


だが、Varjoが開発を進める技術を使えば、今年中にも現実並の解像度を持つVRを実現させることができるかもしれない。彼らのデバイスは業務用として開発が進められているが、技術が完成すれば消費者向けのデバイスにも応用されそうだ。


解像度の進化


解像度の比較


VR映像のレンダリング


現在開発が進められているグラフィックカードの性能から考えれば、一般的な2Dディスプレイに表示する映像を現実並の解像度にするまでにはそこまで時間がかからないだろう。


しかし、VRではユーザの周囲360度の映像をレンダリングしなければらない。高い解像度のVR映像をレンダリングするためには、非常に高い処理能力を持つGPUが必要になってしまう。


Fovatedレンダリング


この状況を変えるかもしれない技術がFovatedレンダリングだ。この技術ではVR映像全体を高解像度でレンダリングするのではなく、ユーザが見ている部分のみを高い解像度で処理する。


人間の目は視野の中心を高い解像度で認識できるが、周辺はあまりよく見えていない。そのため、周辺部ならば解像度が低くても違和感を与えずに済む。


アイトラッキングが可能なハードウェアと、リアルタイムにレンダリング品質を管理できるソフトウェアが組み合わさってFovatedレンダリングが可能となる。


Varjoの技術


Varjoが開発を進めるシステムも、人間の目が持つこの特徴を利用している。


VR映像全体を彼らが求める解像度でレンダリングすれば、GPUへの負荷は計り知れないものになってしまう。しかし、一部だけならば現在のデバイスでも十分処理が可能だ。


Oculus Riftの70倍の解像度


スクリーンのイメージ

70倍の解像度で表示されるのはごく一部だ


VR映像に必要なもの


Varjoは、Oculus Riftを改造して内部に新しいパーツを追加した。このパーツが現実と区別できないほど解像度の高い映像を表示するために使われる。同社によれば、Riftの標準ディスプレイが持つ解像度の70倍もの解像度だ。


その映像品質の差は記事上部の画像で確認できる通りだ。彼らは、VRに必要なものは人間の目で現実と見分けられないレベルの解像度だと考えている。


プロトタイプの制限


Varjoが作成したプロトタイプは、そのアイデアの有用性を示すものだ。しかし、現時点ではハードウェアの限界による制限もある。


超高解像度の映像が表示される部分は、全体から見るとごく一部でしかない。


上にあるのは、Upload VRのKevin Ohannessianによるイメージだ。Oculus Riftのスクリーンそのものと比べると、70倍の高解像度で表示が可能な部分がとても小さいことが分かる。


また、Varjoが使用するマイクロディスプレイは残像が発生するようだ。これはOculusがRiftに採用した残像の少ないディスプレイとの比較レベルでの話ではあるが、映像が変化するときに少し残像が見えるという。


期待される使用例



ハードウェアの制限はあるものの、この高い解像度は未来のVR/ARを垣間見せてくれる。Varjoの公式サイトで公開されているプロモーション映像ではARへの利用を想定しているようだが、VRの没入感もかつてないものになるだろう。


従来のARアプリやMRデバイスでは考えられなかったほど高い解像度のオブジェクトは、そこに模型が存在しているかのように扱うことが可能だ。高い解像度により、3Dモデルや設計図の細かな部分まで正確に再現される。


Varjoの今後


Varjoロゴ


Varjoはフィンランドのヘルシンキに拠点を置くスタートアップで、まだ設立から10ヶ月しか経っていない若い企業だ。社員数も19人に過ぎないが、マイクロソフトやノキアで働いた経験のある社員が在籍している。


彼らは以前集めた200万ドル(2.2億円)の資金を元にプロトタイプの制作を行い、現在は追加の資金を獲得するために動いている。


現状の問題


Varjoの設立者でCEOのUrho Konttoriは、高い解像度があればVRとARは変えることができると考えている。


「今日のVRとARが抱える第一の問題は、その全てが低解像度であることです。


業界の人々は、人間の目が持つ解像度の100分の1の世界について語っています。これは、ほとんど何も見えていないようなものです


AR/MRで使われるシースルーのシステムは、視野が狭いことも問題です。ARオブジェクトはとても存在感が薄くてお化けのようで、作り物っぽさもあり、リアルではありません。


MRを使って製品を展示するのであれば、ホログラムではなくそこに製品があると感じられるものではなくてはありません」


Fovatedディスプレイ


Varjoが狙っているのは、消費者向けではなくプロフェッショナル向けの製品だ。高い解像度を実現する技術を使ったSteamVRヘッドセットの開発を目指して研究を続けている。


現在のプロトタイプでは70倍の解像度を持つエリアが固定されているが、アイトラッキングを行うハードウェアとソフトウェアを利用して高解像度エリアをユーザの見ている場所に移動させることが考えられている。


マイクロディスプレイそのものが移動するのか、あるいはスクリーンとなるガラスの方を傾ける方法になるかもしれない。Konttoriは最終的にどのような仕組みになるかを明言しなかったが、このコンセプトを現実のものにしたいと考えている。


「『Fovatedレンダリング』はGPUパワーの消費を減らすために映像の品質を低下させてしまいます。


私たちは品質を上げようとしています。『Fovatedディスプレイ』とでも言えば良いのでしょうか」


実現可能なソリューション


彼は、このソリューションが空想の産物ではなく実現可能なものであることを強調した。


Varjoのシステムが描画する画素の数は、4K解像度の一般的なディスプレイのものより少ない。GPUだけに関して言えば、現行のゲーミングPCを使ってレンダリングが可能なものとなっている。


スケジュールとコスト


予定通りに進めば、今年の末までにヘッドセットのプロトタイプが作られる。パートナー企業に数百台のプロトタイプを提供し、フィードバックを受けてさらに改良が行われる予定だ。


最終的には、2018年の末に製品版の発売を目指している。


このヘッドセットは業務用で、高コストな製品になると思われる。1万ドルとは言わないまでも、数千ドルになるだろう。


Konttoriは、時間とともに価格が下がることを指摘している。そう遠くない将来、同社の技術を使ったヘッドセットが消費者にとって手の届く価格になるという。


彼は消費者向けのヘッドセットがスタンドアロンで無線化されていなければならないと考えているが、まずはプロトタイプを完成させることだ。


20年かかるかもしれないと言われた解像度を実現するヘッドセットは、今年中に登場するのだろうか?


 


参照元サイト名:Upload VR

URL:https://uploadvr.com/varjo-70x-resolution-human-eye/


参照元サイト名:Varjo

URL:http://www.varjo.com/


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