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【de:code 2017 #1】Hololensのスイートスポットは1.25mから5m!「本気で始める HoloLens - プラン・設計・開発の勘どころ -」セッションレポート


de:code 2017 セッション「本気で始める HoloLens - プラン・設計・開発の勘どころ -」


2017年5月23日(火)に開催された日本マイクロソフト社主催の開発者向けイベント「de:code 2017」にて、日本マイクロソフト テクニカルエバンジェリスト 高橋忍さんのセッション「本気で始める HoloLens –プラン・設計・開発の勘どころ -」に参加してきたのでレポートします。


これからHoloLensを使って開発しようと考えている開発者向けの、とても為になるセッションでした。


MIXED REALITYについて


まずはMIXED REALITYとはどういうものなのかというお話。


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テクノロジーに関係なく実際に存在しているものは「PHYSICAL REALITY」

環境や物体の感覚などが”人工的“に作られているのが「VIRTUAL REALITY」

その“PHYSICAL”と”VIRTUAL”が混ざっているのが「MIXED REALITY」


更に最近マイクロソフトではそこに「Human」を加えたものをの3つが重なる部分を「MIXED REALITY」としているようです。


参考:https://developer.microsoft.com/en-us/windows/mixed-reality/mixed_reality


作れるアプリは大きく分けて3タイプ


HoloLens用のアプリは大きく分けると3つに分類できるようです。


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  • 環境拡張型(ARタイプ)

  • 環境融合型(MRタイプ)

  • 仮想環境型(VRタイプ)


HoloLens自体はMRタイプのデバイスですが、アプリの作りによってはARやVRのように感じられるものも作ることができます。


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これは上記写真の図のようにMIXED REALITYがカバーしている範囲がとても大きので、HoloLensがカバーできるアプリの範囲も大きいとのこと。つまり、ARだから、VRだからHoloLens用に作ってはダメだと考えるのではなく、そこは一度取り払って考えていただいて結構ですとのこと。


HoloLensというデバイスについて


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高橋さん曰く、勘違いしないで欲しいのはHoloLens自体がスタンドアロンのPCだということ。今でこそ少なくなってきたものの、かなり間違えて認識している方がいたそうです。


外部にセンサーがあるわけでもなく、バッテリーもCPUもGPUもストレージも全部中に入っている一つのPCだということを忘れてはいけません。


特に、開発者として注意が必要なのはCPUが32bitであること。私も当たり前に64bitだと思っていたので驚きました。


またRAMは2GB、ROMは64GBしかありません。HPUというHoloLens専用に開発したチップを積んでいるので、その部分の違いはあるにしろ、正直、安価なタブレットと殆ど差がないスペックなんですよ…そのくらいのスペックなんだと思ってアプリを開発しないと、パフォーマンスが著しく低いものが出来上がってしまうかも…気をつけたいところです。


HoloLensアプリの開発について


HoloLensというデバイス自体への理解が深まったらいよいよアプリ開発のお話です。


HoloLensアプリは2Dアプリと3Dアプリがあります。


2DアプリはUWPのアプリです。ストアに公開されているUWPアプリならダンロードしてきて使うことができるそうです。HoloLensはWindows10なのでUWPのアプリは普通に動くんですね。敢えてHoloLens用に作らなくてもUWPなら使えてしまうっていうのは凄いですね。


3Dアプリは、DirectXかUnityで作るのですが、今のところ8割から9割くらいがUnityで作られているんですって。ここまで差があるのは驚きです。


HoloLensアプリ開発に必要なもの


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開発に必要なものはこちら


開発ツール



  • Visual Studio2017/2015 + WindowsSDK

  • Unity5.5〜

  • HoloLensエミュレーター


必要環境



  • CPU 4Core- / 64bit

  • RAM 8GB-

  • Bios Support ハードウェア仮想化支援 / SLAT / DEP

  • GPU Direct X11.0以降 / WDDM 1.2 Driver以降


Visual Studio2017をインストールするとUnityも自動でインストールされるらしいのですが、その時はUnity5.4がインストールされてしまうため、その後手動でバージョンを上げるのを忘れずにとのアドバイスがありました。


また、UnityからHoloLens固有の機能(例えば視線やジェスチャーの認識など)を利用したい時は、「HoloToolkit-Unity」を使うと便利だそうです。これはマイクロソフトが作成したライブラリで、GitHubにソースも公開されています。


GitHub –Microsoft/HoloToolkit-Unity


ホログラムはどこに置くべきか?


HoloLensでアプリを作ったら空間上にホログラムを置くと思います。そのホログラムの置き場所が、とても大事なのに実は気にされていない方が多い部分だそうです。


de:code 2017 セッション「本気で始める HoloLens - プラン・設計・開発の勘どころ -」


HoloLensにはスイートスポットがあって、それが大体1.25メートルから5メートルの間。しかも、ホログラムは触らないように作る方が良いそうです。ついつい触るのを前提に考えてしまいがちなのですが、触りに行って近づくと見切れたりしてしまうので、あまり良くないそうなんです。そこで上手くできているものとして紹介されたのがこのNAVITIMEさんのアプリ。



だいたい2〜3メートル先にホログラムがあって、直接触るのではなく、カーソルで操作している点が良いとのことでした。


HoloLensのアプリを作ることをゴールにしてはいけない


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このセッションでのいちばん大切な部分です。


HoloLensでアプリを動かすことをゴールにすると、少し動かしてみて、その後結局使われないものができあがってしまうそうです。


「HoloLensでうちのコンテンツ表示してみよう!」というような、”とりあえずHoloLensで何かしたい”というだけのものは、結局「…で?それだけ?」で終ってしまうとのこと。もちろん、プロトタイプなら、そういう作り方をしてみても良いのですが、「それiPadでよくない?」とか「HoloLensでやる必要ある?」と聞かれてもしっかり答えられる、HoloLensでないといけない理由がないと失敗してしまうそうです。


de:code 2017 セッション「本気で始める HoloLens - プラン・設計・開発の勘どころ -」


だから、まずは何が問題なのか、どうすればその問題は解決できるのか、それでHoloLensは何ができるのか、そしてそれは本当にHoloLensでなければできないことなのか、というストーリーをみっちり練り上げることが、HoloLensのアプリ開発においてとても重要だと仰っていました。


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以上でこのセッションのレポートは終了です。HoloLensの特性から、開発に必要なもの、開発を成功に導くための考え方など、これからHoloLensアプリを開発するための勘どころが詰まったタイトル通りの素晴らしいセッションでした。是非参考にして頂ければと思います。


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