Googleは、2017年5月17日から開催している開発者会議「Google I/O 2017」において、SamsungとLGがDaydream Readyスマホをリリースすることを発表した。
新たに加わるDaydream Readyスマホ
同イベントの発表によると、SamsungとLGからDaydream Readyスマホがリリースされる。
Samsungは、すでにリリースしている同社の「Galaxy S8」と「Galaxy S8 Plus」を今年夏に予定しているアップデートによって、Daydreamに対応する。
また、LGは同社の次期フラッグシップ・スマホをDaydream readyスマホとし、2017年内にはリリース予定、とのこと。もっとも、同スマホに関しては詳細が明らかになっていない。
2017年5月における各メーカーのDaydream対応状況
SamsungとLGからDaydreamスマホがリリースされる結果、各メーカーのDaydream対応状況をまとめると以下の表のようになる。
メーカー名 | Daydream対応状況 |
---|---|
Asus | DaydreamとTangoの両方をサポートしたスマホ「ZenFone AR」を2017年夏にリリース |
Alcatel | 2017年上半期にDaydream Readyスマホをリリースすると発言していたが、現在まで続報がない。モバイル型VRヘッドセット「Idol 4S」をリリースしており、オールインワン型VRヘッドセット(Android OSを採用したVRヘッドセットのことか)をリリースすると発表しているが、リリース時期は未定。 |
HTC | Google初のDaydream Readyスマホ「Pixel」の製造を行っている。2017年内にスタンドアローン型Daydreamスマホをリリース |
Huawei | Daydream Readyスマホ「Mate 9」と「Porsche Design Mate 9」(ポルシェデザインとのコラボ・スマホ)をリリース。同社製造のDaydream Viewも発表されているが、リリースリリースは不明。 |
Lenovo | Daydreamが発表された当初のパートナーではないものも、Daydream Readyスマホ「Moto Z」「Moto Z Droid」「Moto Z Force Droid」をリリース。2017年内にスタンドアローン型Daydreamスマホをリリース。 |
LG | 2017年内にリリースされる次期フラッグシップ・スマホがDaydreamに対応。 |
Samsung | Galaxy S8およびS8 Plusが2017年夏予定のアップデートによりDaydreamに対応。 |
Xiaomi | 2017年4月、同社最新スマホ「Mi 6」をリリース。同スマホに対応したDaydream Viewに似たVRヘッドセットをリリースすると発表していたが、今のところ続報はない。 |
ZTC | 「Axon 7」をアップデートによりDaydream Readyスマホとした。 |
2017年5月時点でのDaydream Readyスマホは対応/リリース予定の機種も含めると、「Pixel」「Pixel XL」「ZenFone AR」「Mate 9」「Porsche Design Mate 9」「Moto Z」「Moto Z Droid」「Moto Z Force Droid」「Axon 7」「Galaxy s8」「Galaxy S8 Plus」「LG製次期フラッグシップ・スマホ(名称不明)」の12機種である。
さらに、HTCとLenovoからDaydream対応スタンドアローン型VRヘッドセット(おそらく各メーカー1モデルずつ)が2017年内にリリースされる予定だ。
対応デバイス数だけに注目すると、DaydreamはVR市場最大勢力となる。しかしながら、Daydreamアプリ数に着目すると150程度とまだ少ない。ちなみに、Gear VRアプリ数は約770であり、大差をつけられている。
GalaxyシリーズがDaydream Readyになる意義
SansumgのGalaxyシリーズと同シリーズのスマホに対応したVRヘッドセットGear VRは、一般にはDaydreamのライバルと見なされている。そう見なされるのは、どちらのプラットフォームも、スマホを使いながらリッチVR体験ができる「ミドルクラス」のモバイル型VRヘッドセットのプロダクト・カテゴリーに属しているからである。
ライバル関係にあるGalaxyスマホがdaydreamに対応することは、同一のVRカテゴリー市場において、SamsungとGoogleがwin-winの関係を築くことを意味するだろう。
Googleにとっては、Galaxyという世界的な販売台数を誇るスマホ・シリーズがDaydream対応することは、単純にDaydreamの潜在的ユーザーの増加を意味する。
また、Samsungにとっても、GalaxyシリーズをGear VRとDaydreamの両方に対応した唯一無二の存在にすることができる。
そして、SamsungのDaydream対応でもっとも恩恵を得るのは、言うまでもなくモバイル型VRヘッドセットユーザーである。
まとめると、Daydreamは今回の「Google I/O」での多くの発表によって、VR市場での存在感を増したことは間違いない。だが、まだ残された課題がある。それは「いつ日本に上陸するか」である。この宿題に関しては、続報を待とう。
SamsungとLGがDaydream Readyスマホをリリースすることを報じたRoadtoVRの記事
http://www.roadtovr.com/google-bringing-daydream-compatibility-samsung-galaxy-s8-lgs-next-flagship-phone/
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