NHK受信料の未払いについて、
NHKと視聴者で裁判になることがしばしばあり、その場合は視聴者側が完全に勝訴することはほぼないといえます。しかし、
NHKがすべての受信料滞納者に対して次々に受信料未払いの裁判を起こしていればそれ自体が大きな話題になるはず。じつは、
NHKが視聴者と裁判で争う件数はきわめて少ないのです。
NHK受信料未払いで簡易裁判所へ郵送
NHK受信料を長年にわたり滞納し続けた場合、NHKが民事訴訟を含めた法的手続きをとってくることがあります。NHKが発表する資料によると、NHKは法的措置をとる際にはいきなり民事訴訟を行わず、まず「
支払督促」という制度を利用して未払い受信料を回収しようとします。
支払督促は、NHK受信料未払いなどの債権を持つ債権者が、債務者から債権を回収する方法のひとつ。裁判所へ行かずに郵送のみで手続きが進められることが特徴です。NHKが受信料未払いについて
支払督促を利用する場合、まず未払いを続ける視聴者の住所を管轄する簡易裁判所へ
支払督促申立書として郵送します。
支払督促申立書が届いた簡易裁判所は、書類に不備がない限りNHKの申し立て内容をそのまま記載し視聴者へ「
支払督促」というタイトルの書類を発送します。郵送する際には「特別送達」という特殊な郵便が使われ、通常の郵便と異なり受け取り拒否をすることができません。
NHK受信料未払いが民事訴訟から裁判
NHKから
支払督促が届いた場合、2週間以内に発送元の簡易裁判所へ異議申立を行わないと、NHK側の言い分がそのまま通ることになります。ただし、異議申立を行うとそのまま通常の民事訴訟へ移行するため、公判のために裁判所へ出向くなどの手間が増えることになります。
それでは、NHKが受信料未払いについて年間どの程度
支払督促の申し立てをしているのでしょう。NHKはWebサイトで定期的に
支払督促の申立件数を更新しており、その際には2006年11月から行われた累計で発表されます。
NHKのWebサイトによると、最新版の2022年9月末現在の
支払督促申し立て件数は1万1605件で、2021年9月末時点では1万1393件。この2つの数字から、2021年10月~2022年9月の1年間でNHKが
支払督促を申し立てた件数は365件で、1日あたりちょうど1件申し立てている計算になります。
ちなみに、同期間に
支払督促を受け取った視聴者が異議申し立てを行い、民事訴訟にいたって裁判となった件数は61件で、70%以上の人がNHK側の言い分をそのまま認めています。
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