NHKが未契約のテレビ視聴者に受信契約を結ばせるため訪問するNHK集金人を廃止するという方針を発表してから、1年以上がたちました。NHK集金人廃止の方針自体は順調に進んでいて、NHK集金人から何度も訪問を受けるケースも少なくなっています。一方で、NHK集金人廃止で受信契約数がどう変化したかは気になるところです。
NHK集金人廃止で前年比19.8万件減少
NHKは2022月10月25日、7~9月に実施された事業内容をまとめた第2四半期業務報告書を公表しました。業務報告書では、多くのページを参議院選挙や安倍元首相狙撃に関する報道など、NHKが放送した番組内容について割いていますが、NHK受信契約数の推移についても「受信契約の状況」というコーナーにまとめられています。
業務報告書によると、2022年9月末現在の受信契約数は約4135万件で、NHK集金人廃止の方針が出される前の2021年9月末と比較して約19.8万件減少しました。NHKは、もともと受信契約数が2022年度末までに10万件減少することを想定していたため、それより9.8万件も減少幅が大きいことになります。
さらに、2022年度中に4万件の増加を目指していた衛星契約については、2022年9月末時点では約2195万件と前年9月と比較して逆に7.7万件減少。地上契約から衛星契約への切り替えが、NHKが想定するほど進まなかったことがわかります。
NHK集金人廃止で新たなツールを使う
このようなNHK集金人廃止の影響について、NHKはどう捉えているのでしょうか。実は、第2四半期報告書の発表直後となる11月10日にNHK会長会見が行われ、質疑応答のなかで会長はその減少の理由について「営業のやり方を去年から大幅にチェンジしている最中でして、まだなかなか読み切れないです」と回答しています。
さらに、NHK会長は受信料の支払率が低いのは営業活動がしづらい都市部だとしたうえで、都市部で視聴者へアクセスするために「かなりツールを開発した」とも語っています。ただし、この「ツール」がどういった方法を指すのかは明らかになっていません。
ただし、あわせて「元の営業のやり方へ戻すのはやめた方がいいと思います」とも回答。NHK集金人廃止方針は変わらないため、NHKの訪問スタッフ向けにあらたな機器を導入するとは考えにくいところです。NHKが今後、受信契約の取り付けに新しい手法を採用することは間違いないでしょう。
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