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Kテレビ放送が本格スタートしたのは2018年12月ですが、その直前には4K対応ながらB-CASスロットのみを搭載し、ACASチップは後付けというモデルが販売されていました。こうしたモデルは、当然ながら4K放送の受信機能を搭載していますが、ACASチップを付けない状態では4K放送が受信できません。なぜ4
KテレビはB-CASカードで視聴できないのでしょう。
4KテレビはB-CASカードでは復元不能
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KテレビがB-CASカードで視聴できない理由は、4K放送にはACASという新しい方式が採用されているためです。ACASは、解析されてしまったB-CASの暗号化を強化する目的で開発された方式で、4
Kテレビでは本放送開始と同時にACASによる視聴制限やコピー制限が採用されています。
ACASで使われる
ACASチップやB-CASカードは、それ自体で暗号化されたテレビ番組の情報を復元するわけではなく、復元自体はテレビの本体基板側で行われます。しかし、
ACASチップやB-CASカードには暗号鍵が保存され、その情報が復元のために欠かせないという仕組みなのです。
ACASとB-CASでは暗号方式が異なり、B-CASでは1980年代に開発された64ビットの暗号鍵を用いるMULTI2が採用されていました。しかし、
ACASではより新しいAES・Cameliaの2種類の暗号化が用いられており、暗号鍵をそれぞれ128ビットと2倍にすることで、暗号化の解析を困難にしています。
4KテレビのB-CASカードに暗号鍵問題
暗号化の方式自体が異なるうえ、暗号鍵の長さが違うことから、B-CASカードにACAS用の暗号鍵を保存することはできません。逆に、
ACASチップにはACAS・B-CAS両方の暗号鍵を保存する機能があるため、
ACASチップのみでB-CASが使われているBS放送や110度CS放送も視聴可能になるのです。
じつは、4
KテレビにACASが導入された直後には4
Kテレビの暗号化復元に必要なソフトウエアの開発は間に合ったものの、それに合わせた基板設計が追い付かないという製造メーカーが多数でした。そのため、暫定措置としてACASチップを外付けにしてUSB接続するというモデルも発売されました。
しかし、
ACASチップをUSBで外付けできるタイプのモデルは2020年4月以降は販売できなくなっています。現在発売されている4K放送対応のテレビやレコーダーについては、必ず
ACASチップをメイン基板に直接取り付ける仕組みです。
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