今年6月まで国会で議論が行われた放送法改正案は、予定通り可決し10月から施行されています。それに合わせ、NHK経営委員会は法律に新たに盛り込まれた「
割増金」に関する規定を含む、受信契約の見直し案を公表しています。受信料の2倍に設定されたこの
割増金、いったいどのような視聴者に適用されるのでしょうか。
NHK受信契約を結ばないと割増金対象
NHK経営委員会が2022年10月11日に公表した、受信契約の内容を定めた「日本放送協会放送受信契約」素案(NHK受信契約改正案)には、NHK受信料に関する
割増金の適用範囲の拡大が盛り込まれています。これは、10月1日に施行された改正放送法の内容に合わせたものです。
これまでも、NHK受信契約には
割増金自体の規定がありましたが、その適用は支払いの不正と受信料免除の理由が消滅後に届け出をしなかった場合に限られていました。しかし、NHK受信契約改正案では、まず支払いの不正について虚偽の理由でNHK受信契約を解約または受信料免除を受けた場合、と明記されました。
さらに、NHKのテレビ放送を受信できる機器を設置したにもかかわらず翌々月までに受信契約を結ばなかった場合も、
割増金の対象となることが明らかになりました。つまり、テレビを購入してアンテナに接続しNHKが視聴可能な状況が長期間続くと、
割増金の対象になってしまうのです。
NHKの割増金は受信料の3倍を支払う
NHK受信契約改正案によれば、NHK受信料の
割増金は2倍で、正規に支払う受信料とあわせ3倍支払うことになります。
割増金の対象となるNHK受信料は機器設置の翌月から受信契約締結の前月となっており、仮に2023年4月にテレビを購入・設置し7月にNHK受信契約を結んだ場合は、
割増金対象となるのは2023年5~6月の2か月分です。
ただし、NHK受信契約改正案の説明資料によると、
割増金は「事由に該当する場合に一律に請求するのではなく、個別事情を総合勘案しながら運用していく方針」となっているため、必ずしも
割増金が満額請求されるとは限りません。
この点については、NHK会長も2022年7月の会見で「
割増金を振りかざして受信料を払って下さい、というのは本末転倒で、納得して払っていただくことが大前提」といった内容の発言をしています。今後、NHKが受信料に対する
割増金をどのように運用していくのか要注目です。
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