NHK受信料に関して、これまで「
NHK集金人」とも呼ばれる
NHK側のスタッフと視聴者との間でのトラブルが多数報告されています。このため、
NHKは「訪問によらない営業活動への転換」という方針を2020年に新たに打ち出しました。はたして、
NHK集金人の削減という新方針により
NHK受信料の支払率はどのように変化したのでしょうか。
NHK集金人の委託会社数が大幅に減少
NHKが受信契約の取り付けについて、
NHK集金人と呼ばれる訪問スタッフを削減する方針に転換すると発表したのは2020年12月のことでした。とくに、
NHKが民間会社へ業務委託している分については2021年から大幅に減少。2020年に200社以上存在した委託会社は、2022年10月には19社にまで縮小しました。
NHKではこの方針について「訪問によらない営業活動への転換」と説明しています。実際、受信料収入で運営される
NHKにとって、受信契約の取り付けや受信料の回収が「営業」にあたる業務といえるでしょう。
今後の「訪問によらない営業活動」について、
NHKはあて先の氏名などの記載が不要で住所のみで郵便物が届く「特定あて名郵便」の活用、CATV会社と提携して受信料制度の周知徹底をはかる、などの方法をあげています。それでは、この「訪問によらない営業活動」は現時点でどの程度の成果をあげているのでしょう。
NHK集金人の削減で支払率が下がった
NHKが7月に公表した2022年度第1四半期業務報告書によると、衛星・地上両契約を合わせた受信契約の総数は6月末時点で約4147万件で、3月末と比較すると8.4万件の減少でした。ただし、
NHK自身は元々受信契約の減少は織り込み済みで、目標達成率としては115.9%という数字を発表しています。
一方、方針転換が表明される以前にあたる2020年度の第1四半期は、新型コロナウイルス感染症の大流行がスタートした時期にあたり、その影響で
NHKによる訪問活動自体がストップしていました。そのため、2020年度第1四半期の受信契約数は約17.8万件減少となっています。
2020年度と2022年度の第1四半期を比較すると、2022年度の方が受信契約数の減少は抑えられていることから、「訪問によらない営業活動」のある程度の効果は現れています。しかし、訪問活動が行われていた2019年度第1四半期は15.4万件増で、こちらと比較した場合、
NHK集金人の削減で受信料支払率は下がったといえるでしょう。
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