NHKがネット視聴者からも受信料を取ろうとしているのでは…という憶測はここ数年たびたび話題に上がるところです。
NHK自身はこの憶測を否定していますが、その一方でテレビを見ない人に対して、
NHKが持つコンテンツを提供する実験も行っています。はたして、
NHKがネット視聴者から受信料を取る布石なのでしょうか。
NHKがインターネットで社会実験
NHKは、2022年4月から5月にかけて「インターネットでの社会実証(第1期)」という社会実験を行いました。これは、テレビを持っていない人や日常的に視聴しない3000人を対象に、
NHKが社会実験として7種類のサービスを用意し、どのように利用されたかを調査したものです。
7種類のサービスのうち、2種類は既存の「
NHK News Web」「
NHKプラス」を再構成したWebサイトを作り、地域別やテーマ別などで
NHKコンテンツを検索して楽しめるような仕組み。また、「フェイクアラート」と題したサービスでは、各種SNSの情報を
NHKニュースと連動させ、SNS情報の信頼性をチェックしました。
そのほか、
NHKが集めた災害情報を地図上にまとめた「災害マップ」、さまざまなニュースと地域別の統計を組み合わせた「地域ニュース」、24時間最新ニュースが視聴可能な「一望・連続再生」、
NHKアーカイブの番組を地域検索から視聴する「地域文化」を用意し、各サービスの満足度へのアンケートを行いました。
NHKのコンテンツはネットでも有用
NHKの発表によると、アンケートでは7種類のサービスともに有用だったという結果。ある意味、
NHKが持つコンテンツはネットで流通させても有用ということが実験で示されたことになるため、
NHKにとっては好ましい結果だったといえるでしょう。
ただし、この
実験が行われた背景として総務省の審議会での議論があった点には注意が必要です。この審議会の論点として「インターネットを含めた情報空間が放送以外にも広がるデジタル時代において、そうした放送の役割を果たしていくことが期待されている」という一文があります。
つまり、この社会実験は
NHKにインターネット事業を拡大するお墨付きを与えるためのものだった、ともいえます。
NHKがインターネット事業を拡大すればするほど「
NHKはネット視聴者からも受信料を取るべきだ」といった説が力を持つため、今後の動きには要注意です。
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