NHK受信契約は、視聴者側が契約内容が気に入らないからといって解約できない仕組みです。この点については、過去のNHK受信料裁判でも議論になってきましたが、実はNHK側に受信契約で有利なる法改正が2年前に行われていました。それは、NHK受信契約に直接関係する放送法ではなく、契約の原則を定めた民法についての改正なのです。

NHK受信料には通知や対策がない

NHKと視聴者が結ぶ受信契約の内容は、放送法にもとづき定められた「日本放送協会放送受信規約」という文書に細かく定められています。日本放送協会放送受信規約の内容は、法務大臣の認可が必要なものの事実上NHK側が勝手に定め、視聴者側はNHKと契約内容を交渉できません。

一方で、放送法にはNHKのテレビ放送を受信できる設備を持つ人はNHKと受信契約を結ばなくてはならないといった内容の規定があります。一般的な契約では、お互いの合意があってはじめて契約が成立することが原則ですが、NHKと視聴者が結ぶNHK受信契約については例外的に契約の義務が発生してしまうのです。

さらに、NHK受信契約の内容が変更された場合も、新契約の内容が気に入らないからという理由では解約できません。例えば、水道料金であれば改訂前に通知があり、値上げを知った利用者は水道使用量を減らすといった対策が取れますが、NHK受信料にはそのような通知や対策はありません。

NHK受信料裁判で定型約款で有利に働く

このように、NHK受信契約に関しては視聴者側に不利な契約条件が多いのですが、実は契約条件についてはさらにNHK側へ有利になる法改正が2020年4月に行われています。それは、放送法ではなく広く契約一般について定めた民法の改正。新たに設けられた「定型約款」と呼ばれる仕組みです。

定型約款は、電気・水道料金や鉄道の運賃など、不特定多数の利用者に同じ内容の契約(約款)を適用する場合についての規定。定型約款とみなされる契約については、ひとつひとつの条項すべてに利用者の合意がなくても契約が有効になるほか、契約内容を変更する場合も、新たに契約を結び直す必要がなくなります。

2020年4月から導入された新しい仕組みのため、NHK受信契約が定型約款にあたるかについてのNHK受信料裁判例はいまのところありません。とはいえ、NHK受信料裁判が視聴者との間で今後起きた場合、定型約款の規定はNHK側に有利に働く可能性が高いといえるでしょう。

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