「2020東京オリンピック」では関東地方だけでも東京・千葉・茨城・埼玉・神奈川・山梨の各地に、複数の会場がありました。しかし、会場周辺空域の統一周波数は存在せず、通常の航空管制などと同じで近隣の管制機関と交信していたのです。オリンピックを影から支えるために全国から集結したヘリコプターの活動について見ていきましょう。

特別なイベント感は皆無のヘリの交信

例えば、国立競技場や幕張メッセ(千葉県千葉市)は東京TCA、お台場周辺は東京TWR(118.575MHz)、さいたまスーパーアリーナ(埼玉県さいたま市)は桶川ADV(130.705MHz)、霞ヶ関カンツリー倶楽部(埼玉県川越市)は入間TWR(122.050MHz)という具合です。

そしてこれらに加え、必要に応じてローカル・ボイスや横田APP(118.300MHz)でも交信していました。一方で、埼玉スタジアム2002(埼玉県さいたま市)のようにどことも交信していなかった例もあります。

これらの使用状況としては、日頃のヘリによる取材活動時と変わらずで、特別なイベント感は皆無でした。ただし、そのお決まり感を覆す周波数も確認しています。GCIの123.100MHzです。

一部の警察ヘリがオフサイドと交信

一部の警察ヘリと取材ヘリが、モニターのため「オフサイド」と交信。ちなみに期間中は、オリンピックとは無関係の民間小型機も度々交信し、モニターを受けていました。

横浜スタジアム(神奈川県横浜市)などで警戒を行う警察ヘリは、この123.100MHzでモニターを受けながらのミッションを行っていました。

また、都心での任務を終え立川駐屯地に帰投する警察ヘリも、TCAからの指示でオフサイドと交信するのが一連の流れでした。

このように帰投する旨をリポートするだけですぐに変波しましたが、2008年の北海道洞爺湖サミットでも警察ヘリや民間ヘリがGCIでモニターを受けていた事例があります。

警察ヘリは通常の運用と変わらず交信

警察ヘリコプターは開催県の部隊に加え、北海道と沖縄県を除く各地域から関東地方に応援部隊を派遣。立川駐屯地、入間基地、百里基地、横浜へリポートを拠点とし、競技の日程に応じて他の基地に前進待機したり、競技の前半・後半で派遣部隊を交代していました。

警察のカンパニー波(135.950MHz)は通常の運用と変わらずで、運航に関するやり取りや機体間の交信だけ。取材ヘリ関連のカンパニー波も同様ですが、離陸前に基地局から「飛行統制所からDBCコード1221でお願いしますとのことです」というワードが度々聞こえました。

DBCコードとはスコーク(Squawk)のこと、つまり識別コードで、自衛隊など軍用機の世界で使われる用語です。

このほか、海上保安庁も数機ほど応援部隊を羽田航空基地に派遣しましたが、特に目立った動きはなし。消防防災ヘリの応援部隊はありませんでした。(写真・文/田中誠一)

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情報提供元 : ラジオライフ
記事名:「 オリンピックで全国から集結した警察ヘリの交信