アルインコの広帯域受信機「DJ-X8」は、上位機の「DJ-X81」が2013年に発売されて裏方に回りましたが、
入門機の中で実勢価格が最も安かったため、ロングセラーになっていました。2020年にDJ-X81の生産が終了すると、7年ぶりに表舞台へ戻ってきたのです。初心者向けハンディ受信機はテンキー装備なら「DJ-X8」がベストバイでしょう。
DJ-X8は入門機で唯一テンキーを装備
アルインコの広帯域受信機「DJ-X8」の特徴は、
入門機唯一の数字ボタン(テンキー)が付いたテンキーモデルであること。周波数を直接入力できる操作性の良さが、ビギナーにとって最大のメリットになります。実勢価格は21,000円です。
DJ-X8には、アルインコならではの“飛び道具”が盛りだくさん。音声反転式秘話の解読機能のほか、メインダイヤルのワンプッシュで作動する盗聴発見機能は時代を反映しています。
テンキーは各操作ボタンを兼ねていますが、その多くは多用する機能ではありません。メインになるのはスピーカーの横に縦に配置された3つのボタンです。
スキャン&サーチの開始やバンク&バンドの切り換え、
受信支援機能の作動を、左側面上にあるFUNCボタンを押した後に行う、ファンクション機能の併用で操作します。この3つのボタンをマスターすれば、ひと通りの受信ができます。
DJ-X8は150MHz帯の受信感触が良好
DJ-X8が発売された2006年は、アナログ無線の全盛期。特に150
MHz帯には消防無線やマスコミ無線が割当てられており、アクシデント系の情報収集が花盛りでした。
DJ-X8はそこをターゲットにした設計がなされ、150
MHz帯の受信感触は極めて良好。それを支えていたのが、入門機で最も長い全長230mmの付属アンテナです。DJ-X8の付属アンテナを測定したところ、110MHzと155MHzに感度が良くなるマッチングポイントがありました。
長い付属アンテナが必ずしも高感度を約束するものではありませんが、アンテナは長い方が有利なことに変わりはありません。特にVHF帯エアーバンドなどの120~150
MHz帯を受信する際は、良い方向に作用します。
今や貴重な音声反転式秘話の解読機能など、受信支援機能は豊富ですが、各部に設計の古さが感じられます。それでも
DJ-X8を選ぶ理由は、テンキーモデルの利便性がそれらを上回るからです。
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