栃木県の宇都宮地区で来春発行される交通系ICカードの名前が「totra(トトラ)」と発表になりました。このカードは、宇都宮地区で使える交通系ICカードとJR東日本のSuicaを両方内蔵した新方式の「地域連携ICカード」の第一号としても注目されています。この新しい地域連携ICカードとはどのような仕組みなのかを見ていきます。

地域連携ICカードが開発される背景

「地域連携ICカード」とは、JR東日本が発行するSuicaに各地の交通機関で利用する機能を追加したもので、2018年に同社とシステムを共同開発するソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ・JR東日本メカトロニクスから発表されました。

地域連携ICカードが開発される背景には、各地の鉄道・バス会社が行っている割引サービスの存在があります。とくにバスの場合、回数券で利用する人が多い一方、交通系ICカードで回数券機能を実現しようとした場合、これまではSuicaなどと別に独自のICカードを発行する必要がありました。

例えば、福島県の福島交通が発行する「noruca」の場合、定期券を追加しないカード自体が「回数券」と呼ばれていて、1000円で1100円分チャージされる仕組みです。福島交通に限らず、独自のICカードを利用する多くの鉄道・バス会社は割引サービスを受けられるものがほとんどです。

地域連携ICカードはSuicaが機能拡張

鉄道・バス会社が独自の交通系ICカードを採用する場合、割引サービスなどを自由に設定できる一方で、そのためのシステム開発に多額の費用が必要です。地域連携ICカードは、この開発費用を抑えるための仕組み。Suicaを機能拡張することで、Suicaと各地域交通カードの両方を内蔵できます。

利用者にとっても、地域連携ICカードであれば地域交通機関の独自割引サービスが受けられるだけでなく、全国相互利用対応ICカードで乗車可能な鉄道・バス会社ではSuicaとして使えるというメリットがあります。また、コンビニなどのショッピングでもSuicaとして利用できます。

地域連携ICカードの導入をいち早く決めたのが、栃木県の宇都宮地区でバスを運行する関東自動車・JRバス関東で、2021年春からサービス開始を予定。カードの名称も「totra」と発表され、2022年春に開業する宇都宮ライトレールとあわせて3社共通で利用できる交通系ICカードとなる予定です。

また、岩手県の岩手県交通も2021年春スタートの予定で地域連携ICカードの導入を準備中。岩手県北自動車と八戸市営バスも、2022年春に2社共通の地域連携ICカードのサービス開始を発表しています。

北東北では、現在JR東日本路線も含めて交通系ICカードがほぼ使えませんが、今後交通系ICカードの導入が加速するかもしれません。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「Suicaを内蔵した新方式「地域連携ICカード」とは