今では見ることはありませんが、かつての公営ギャンブル場では変なレース結果になると、客が「八百長だ!」と叫び大暴れするという事件はあちこちで起きていました。八百長は行う騎手や選手にとってリスクが高く、行われることはまずありません。しかし、過去に八百長が発覚したケースもないとはいえないのです。

数少ない公営ギャンブルの八百長事例

競馬をはじめとした公営ギャンブルのファンのなかには、レースで騎手や選手が故意に着順を操作し、その情報を仕入れた客が不当に儲ける、いわゆる「八百長」が行われていると疑う人も少なくありません。しかし、実際に八百長が明らかになった事例は極めて限られています。

公営ギャンブルで八百長が摘発された数少ない事例のひとつが、1969年に発覚した「黒い霧事件」に絡んだオートレースでの不正です。黒い霧事件は、もともと違法なプロ野球賭博に関する事件でしたが、捜査が進むにつれてオートレースでも八百長が行われていたことが明らかになったのです。

オートレースの八百長では、あらかじめ客と選手の間で首振りなどのサインを決めておき、その通りの着順を故意にとることで客が不正に利益を上げていたとされています。この黒い霧事件では、結果的に関係したとされるオートレース選手19人が逮捕され引退を余儀なくされています(ひとりは無罪となり選手へ復帰)。

公営ギャンブルの八百長で不正舟券

その後、公営ギャンブルでは長年にわたり選手が絡む八百長が発覚することはありませんでした。1988年に、江戸川競艇場で不正舟券が大問題となりましたが、この件はレースに出場する選手は無関係。主催者側の職員ひとりがレース発走後、不正に舟券を発行させ大儲けしたものでした。

競艇はレースの特性上、最初のコーナーで1着になると、そのまま1着でゴールする確率が高くなります。不正を行った職員は、最初のコーナーの着順を確認後、1着だった選手が絡む舟券を追加で発券して儲けを得ていました。なお、この職員はのちの裁判で実刑判決を受けています。

江戸川競艇の不正舟券事件後も、公営ギャンブルで選手がからむ八百長が発覚することはありませんでした。しかし2020年1月に、元競艇選手が現役時代に八百長を行っていたとして名古屋地検特捜部に逮捕される事件が起きてしまいました。

公営ギャンブルの八百長の罪は重い

逮捕された元競艇選手はレース開催中は持ち込み禁止のスマホを不正に使い、外部の親戚と連絡を取り予定する着順(あるいは舟券対象から外れる)を教えていたと言われています。通常、八百長は複数選手が共謀しないと行えませんが、この元競艇選手は1人で八百長を成立させていたのです。

それができたのも、元競艇選手が腕前だけではトップ20%に入る実力の持ち主だったためです。検察の捜査で八百長と認定されたレースのなかには、6艇中2着を取るといった難易度が高いものも含まれていて、単なるボロ負けだけでなかったことが八百長の発覚を遅らせたともいえるでしょう。

なお、公営ギャンブルにおける八百長の罪は重く、競艇に関する法律となるモーターボート競走法では5年以下の懲役刑となっています。逮捕された元競艇選手はその後、名古屋地検により起訴。裁判で事実関係を大きく争うこともなく、10月21日に懲役3年の実刑判決を言い渡されました。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「公営ギャンブルに「八百長」は存在しないのか?