警察官には警部や警部補、巡査といった「階級」以外にも区分が存在します。それが「キャリア」と「ノンキャリア」と呼ばれるものです。ただし、刑事ドラマなどでよく描かれる警察のキャリアとノンキャリアの確執はウソ。警察のキャリアが現場で率先して動くようなことは、現実的には職務の範囲外といえるのです。

警察でキャリアは警部補でスタート

警察のキャリアとノンキャリアの区分は、警察官になるために受けた試験の違いで決まります。「キャリア」は国家公務員総合職試験(旧国家公務員Ⅰ種試験)に合格した警察官を指し、身分は国家公務員です。所属も警察庁となり、本部や所轄に派遣されるのは出向の形に近いといえます。

同じ国家公務員試験でも、一般職試験(旧国家公務員Ⅱ種試験)合格者は「準キャリア」と呼ばれ、これら以外の地方公務員採用者が「ノンキャリア」です。

キャリアとノンキャリアの大きな違いは、昇任のスピードです。キャリアは初任から警部補の階級からスタートして10年ほどで警視正となり、その後、警視監、警視総監、警察庁長官への道が開かれています。

一方、準キャリアは巡査部長からスタート、ノンキャリアは巡査からです。通常、昇任の限度は準キャリアで警視長、ノンキャリアは警視正といわれています。ただし、現実的にノンキャリアは警部補が精一杯といいます。

警察でキャリアはデスクワーク中心

ちなみに、キャリア組は東大卒がほとんどで、年間の採用人数はわずか10人から15人程度。大卒のノンキャリアが千人程度なので、警察のキャリア採用がいかに狭き門であるかがわかるでしょう。

そして、警察のキャリアは若くして重要な役職に就くことができ、ノンキャリアは係長か課長、かなり頑張っても所轄の署長か副署長が関の山。この「若くして出世する」キャリアと「現場でたたき上げた」ノンキャリアとの確執が、刑事ドラマなどではおなじみとなっています。

しかし実際は、警察庁と本部の役割が異なるように、キャリアとノンキャリアの役割もまったくといっていいほど異なるもの。キャリアは指導・監督者としてデスクワーク中心で、ノンキャリアは捜査や警備といった実務を担います。

言い換えれば、刑事ドラマにあるように警察のキャリアが現場で率先して動くようなことは、現実的には職務の範囲外。とはいえ、警察官として「市民の安全を守る」という職務はどちらも同じです。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「警察のキャリアとノンキャリア間の確執はウソ?