NHKの受信料については、どれだけの人が支払っているかを都道府県別にNHKがまとめたものが毎年度ごとに発表されます。おおむね、大都市やその近くの県は支払率が低く、地方へ行くと高くなる傾向ですが、その例外が沖縄県です。全国平均より30ポイント以上も低いというダントツNo.1でNHK受信料の支払率が悪いのでした。
NHK受信料の支払率は沖縄県50.1%
NHKが発表した、2018年度末の都道府県別受信料支払率を見ると、沖縄県だけ50.1%と極端に低くなっています。全国平均の82.5%はもちろん、ワースト2である大阪府の67.5%より10ポイント以上も低い支払率です。これには、実は理由があります。というのも、全国で沖縄県だけが「NHKが後発テレビ局だった」のです。
NHKが現在のように受信料で運営する特殊法人となったのは1950年のことで、テレビ放送が始まる前です。当時はラジオ放送にも受信料があり民放ラジオ局もなかったため「ラジオを持つ=NHKを受信する」という状態でした。テレビも同様で、本土でNHKのテレビ放送開始前に民放テレビ局が開局した地域はありません。
一方、沖縄県は1972年までアメリカの統治下だったため、NHKはそもそも受信できず、無料の民放テレビ・ラジオ局だけがある状態でした。1967年にはNHK沖縄放送局の前身にあたる沖縄放送協会(OHK)が開局し、NHKの番組が一部見られるようになりましたが、NHKと違いOHKに受信料はありませんでした。
NHK受信料が沖縄県は割安だった
そして、沖縄県の本土復帰にあわせてOHKがNHK沖縄放送局となり、沖縄県民にもNHK受信契約の義務が発生します。これでは、今まですべてのテレビが無料だったところに、後からやってきたNHKへ受信料を支払えという話です。
こうした経緯から、今に至るまで沖縄県ではNHKの受信契約を結ぶ人が長年にわたり本土と比べて少ない状態が続いているというわけ。NHKも特有の事情を考慮してか、沖縄県の受信料は本土と比べて割安になっています。地上波のみの「カラー契約」では本土が2か月2520円(口座振替)に対し沖縄県は2210円です。
ちなみに、日本国内で沖縄県に一番多く、隠れた在住者ともいえる在日米軍関係者は、そのほとんどがNHK受信料を支払っていないといわれています。これについては、NHKが受信契約が必要という立場である一方、在日米軍側は「税金と同じく日米地位協定で免除のはず」と平行線が続いていて、解決のめどが立っていません。
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