以前、「LINEは日本だけ?世界のメッセージアプリのシェア」記事で世界のメッセージアプリについてご紹介しましたが、今回実際にLINEは世界ではどのように使われているのかをアプリ起動回数を元に考察していきます。
まず、LINEのおさらいから。
【LINEは日本で誰もが知ってるメッセージアプリ】
もはや説明不要ではありますが、LINEは、24時間、無料で好きなだけ通話やチャットが楽しめるメッセージアプリです。
先日発表された「2017年12月期第2四半期決算説明会資料」では日本における月間アクティブユーザー7,000万人以上、全世界1億6900万ユーザー以上とあり、本当にたくさんのユーザーに使われているのがわかります。
また、日間アクティブ率:70.8%、月間アクティブ率は驚きの96.6%と、とんでもない利用率となり、もはやLINEは日本でなくてはならないサービスになっています。
それでは、日本以外でのユーザーはどうでしょうか。
【LINEは日本・タイ・台湾・インドネシアに注力】
今年2月、LINEはニュースタブ機能を4カ国に設置しました。
https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2017/1662
LINEはこの日本・タイ・台湾・インドネシアの4ヵ国に焦点をしぼり、ユーザーの育成を図っているようです。
中国ではWechat,アメリカではWhatsAppがすでに大きくシェアを獲得しているため、シェア拡大の可能性がある国で如何にユーザー数を伸ばすかが今後のLINEの鍵となりそうです。
それでは本題です。
今回、Cheetah Mobileで独自集計したアプリの起動回数を国ごとに集計したものを
発表いたします。集計内容は上記の4カ国、対象OS:Andorid、集計期間は217年7/29~8/27の30日間です。
・LINE:全世界1日あたりの起動回数
まず先に全世界データを見ると、一日あたり平均して70.2回起動していることがわかりました。
先の発表で全世界1億6900万ユーザーがいるとありましたので、それに日間アクティブ率:70.8%を加味すると
169,000,000ユーザー×0.708DAU×70.2回/1日
=8,397,177,360
実に1日あたり83億回もアプリが起動されている計算になります。
・LINE:日本1日あたりの起動回数
日本のLINEアプリ起動回数は1日平均59.8回と全世界と比べて少なく、少々驚きの結果となりました。
全世界の平均より日本が低いということは、日本よりも起動回数の多い国があることになります。
それはいったいどこなのでしょうか。
・LINE:台湾1日あたりの起動回数
4カ国の中で一番多いのは台湾でした。1日あたりの起動回数は実に98.2回です。
日本を大きく越える数値ですね。原因はこちらの記事の内容にあるようです。
「LINEスタンプ」台湾で超人気、政府や企業もプロモーションに活用
台湾ではLINEスタンプが大人気で、全世界で1,2位を争うほどの使用回数とのことです。
日本よりも1.5倍以上LINEスタンプが使われているそうですが、これは先の日本と台湾の起動回数の比率(1.64倍)に近いデータとなります。
そのため、LINEスタンプの利用回数と起動回数は関係性があると言えそうです。
・LINE:タイ1日あたりの起動回数
タイの平均は69.4回と、これも日本より回数が多い結果となりました。
タイではLINEの利用が日常化してることに加え、家族間でのチャットも頻繁に行い、家族、親戚を交えて数十人でのグループチャットが盛んなようです。
家族構成は日本よりも多い傾向にあり、そういった影響で起動回数も増えているようです。
・LINE:インドネシア1日あたりの起動回数
4カ国最後のインドネシアですが、平均して64.9回となりました。
インドネシアで最大手のMandiri銀行と協業しモバイル決済取引サービス「LINE Pay e-cash」を展開していることも起動数増の影響がありそうです。
また、今回の集計では日本、台湾、タイ、インドネシアとともに8月6日に急に下がり減少傾向に、その後8月16~18日より徐々に起動数が上がっているのが特徴でした。
LINEはカメラ機能を8月頭にアップデートしたようで、その影響があったのかもしれません。
・番外編 LINEアメリカ1日あたりの起動回数
では、注力している4カ国以外での起動回数はどうでしょうか。
アメリカを調査したところ、51.7回と他と比べてやはり低い結果となりました。
【LINE:起動回数のまとめ】
今回調査した起動回数ですが、ランキングにまとめると、
1位:台湾 平均98.2回
2位:タイ 平均69.4回
3位:インドネシア 平均64.9回
4位:日本 平均59.8回
5位:アメリカ 平均51.7回
という結果になり、
主要4カ国のなかで、日本よりも海外の3カ国での起動数が多いことが今回のデータから見ることができました。
台湾ではLINEスタンプが人気、大家族でたくさん利用するタイ、インドネシアでは決済システムに力を入れていたりと、日本市場だけでなく海外でも一定の成果は出ているとみられます。
メッセージアプリとして今まで以上にグローバルに活躍できるのか、LINEの今後に注目です。
※集計期間217年7/29~8/27 自社調べ