TOKYO, Dec 6, 2022 - (JCN Newswire) - 三菱重工業は、イラク電力省(MOE:Ministry of Electricity in Republic of Iraq)が運営するハルサ(Hartha)火力発電所の1号機に対する改修工事を、このほど完了しました。2017年に受注したもので、運転開始後30年以上が経過して老朽化したガス・油焚きボイラーや蒸気タービンからなる発電設備の出力を主要機器更新などにより定格の20万kWに復元しました。当社が同発電所のリハビリ工事を完了するのは、2015年3月に受注し2017年12月に工事を完了した4号機に次いで、今回が2件目となります。
ハルサ発電所は、イラク南部のバスラ(Basra)県に位置しており、同県全体における発電設備容量の約25%を占めています。当社が発電設備を納入し、1982年に完成したものです。しかし、現在までに3度の戦争を通じた設備の破損や経年劣化により、出力を定格の6割程度に落として運転する状態を余儀なくされていました。改修工事の資金は、4号機向けと同じく独立行政法人国際協力機構(JICA)の円借款によって賄われました。日本によるイラク復興支援の一翼を担う取り組みです。
当社をリーダーとするコンソーシアムが工事を請け負い、当社は中核機器であるボイラー、蒸気タービンなどの主要機器・部品を交換して設備の信頼性を向上。トルコのエンジニアリング企業であるGAMA Power社(GAMA Power System Engineering & Construction Inc.)が、現地での輸送、据付工事などを手掛けました。世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大や安全対策が求められる中での難しい工事となりましたが、当社は、多数の熟練技術者を派遣するなど十分な体制で臨み、MOEに引き渡したものです。
当社は、MOE向けではハルサ発電所のほかに、タジ(Taji)、アル・ムサイブ(Al-Musaib)、モスル(Mosul)などの火力発電所についても改修工事の実績を多数有しており、イラクの社会発展と経済活性化に不可欠な電力の安定供給に大きく寄与しています。
三菱重工は、新設火力発電システムの普及だけでなく、今回のような既存発電設備の改修・性能向上にも力を注いでいます。今後も、世界各地で電力供給の安定化や発電の効率化を支援することにより、グローバル規模での経済発展および持続可能性の高いエネルギー創出に貢献していきます。
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