2019年度の「アジアのベストレストラン50」の頂点を極めたのは、ジュリアン・ロイヤー氏が率いるシンガポールの「オデット(Odette)」で、4年連続首位だった「ガガン(Gaggan)」に代わり初の栄冠に輝きました。アジア的な感覚を取り入れたモダンフレンチを提供する「オデット」は、サンペレグリノ&アクアパンナがスポンサーを務める「アジアのベストレストラン賞」と「シンガポールのベストレストラン賞」を受賞しました。
また、2019年度のリストには、46位に初登場を果たしたマレーシアの「デワカン(Dewakan)」や、フィリピンから新しくオープンした「トーヨー・イータリー(Toyo Eatery)」が43位にランクインするなど、計10軒の新たなレストランがトップ50入りを果たしました。開催地マカオからは、昨年より8位順位を上げ、27位となった「ジェイド・ドラゴン(Jade Dragon)」と、36位で初のランクインを果たした「ウィン・レイ・パレス(Wing Lei Palace)」の2軒がランクインしました。
以下、国別の結果をご紹介します。
日本
日本からは国別で最多となる12軒がランクインしました。3位にランクインした「傳」は昨年に引き続き「日本のベストレストラン賞」を受賞し、同レストランのシェフ、長谷川在佑氏は、エストレージャ・ダムがスポンサーを務める「シェフズ・チョイス賞」も同時受賞しました。「シェフズ・チョイス賞」は、2019年度の「アジアのベストレストラン50」にランクインしたシェフたちの投票により決定したもので、これは長谷川シェフがレストランシーンに好影響を与えていることが仲間のシェフたちから認められた証と言えます。
タイ
4年連続1位だったバンコクの「ガガン(Gaggan)」は2位に後退したものの、「タイのベストレストラン」の座は保持しました。バンコクの「ガア(Gaa)」は16位に初登場し、「最上位の新規入賞レストラン賞」を獲得したほか、料理長のガリーマ・アローラ氏が、エリート(TM)ウォッカがスポンサーを務める「アジアの最優秀女性シェフ賞」を受賞するダブル受賞となりました。また、タイの南部料理が専門の「ソーン(Sorn)」が48位に初登場するなど、計6軒がランクインしました。
シンガポール
シンガポールからは「ヌーリ(Nouri)」が39位に初登場したほか、根強い人気を誇る「バーント・エンズ(Burnt Ends)」と「ジャーン(Jaan)」がそれぞれ順位を上げて10位と32位になり、計7軒がリスト入りしました。
中華圏
同地区からは、6位に入った「ウルトラバイオレット・バイ・ポール・ペレ(Ultraviolet by Paul Pairet)」が「中国のベストレストラン賞」を獲得しました。香港からは、初エントリーとなった34位の「VEA」と44位の「セブンス・サン(Seventh Son)」など、計9軒がランクインしています。そのうちの1軒である「ベロン(Belon)」は順位を25も上げて15位となり、「ハイエスト・クライマー賞」を受賞しました。
「台湾のベストレストラン賞」は、過去2回受賞の「ロウ(Raw)」を抑えて、11ランクアップし今年は7位となった「ムメ(Mume)」が受賞しています。「ロウ」は今回30位でした。
その他の地域
バリの「ロカヴォール(Locavore)」が42位で「インドネシアのベストレストラン賞」と、「アジアのサステナブル・レストラン賞」も受賞しました。同賞は環境と社会的責任に関する評価ポイントが最も高いレストランに授与されるもので、監査パートナーであるフード・メイド・グッドが審査を行いました。
17位の「インディアン・アクセント(Indian Accent)」が、5年連続で「インドのベストレストラン賞」を受賞し、35位に入ったコロンボの「ミニストリー・オブ・クラブ(Ministry of Crab)」が、4度目の「スリランカのベストレストラン賞」に輝きました。2018年度の「ミーレ社 注目のレストラン賞」を受賞した「トーヨー・イータリー(Toyo Eatery)」は、初登場で43位となり、「フィリピンのベストレストラン賞」を獲得しました。ソウルの人気の高いレストラン「ミングルズ(Mingles)」が13位で、「韓国のベストレストラン賞」の座を保持しました。
各部門賞の受賞者は以下のとおりです。
ヴァローナ社 アジアのベストパティシエ賞:ファブリツィオ・フィオラーニ氏(「イル・リストランテ ルカ・ファンティン(Il Ristorante Luca Fantin)」/東京)
イタリア人パティシエ、フィオラーニ氏は、出身地であるローマの「ラ・ペルゴラ(La Pergola)」など、一流レストランでその腕を磨きました。「イル・リストランテ ルカ・ファンティン」で提供されるフィオラーニ氏のデザートは、ルカ・ファンティン氏によるモダンイタリアンとの絶妙なハーモニーを奏でています。
アート・オブ・ホスピタリティー賞:「8 1/2 オット・エ・メッツォ・ボンバーナ(8 1/2 Otto e Mezzo Bombana) / 香港・中華圏」
総支配人マリノ・ブラチュ氏率いる同店の卓越したホスピタリティーが、ボンバーナ シェフの創作料理を味わうのにふさわしい、洗練され、かつ暖かい雰囲気を作り出しています。
その他、台中の「JLスタジオ(JL Studio)」が「ミーレ社 注目のレストラン賞」を受賞したほか、日本の「日本料理 龍吟」の著名なシェフである山本征治氏が今年から創設された、第1回「アメリカン・エキスプレス・アイコン賞」を受賞しました。
「アジアのベストレストラン50」の選出方法について
アジア各国で活躍する、300名以上の「食」及びレストラン業界に精通するエキスパートの中から構成される、「アジアのベストレストラン50アカデミー」メンバーの投票により決定されます。各地域にはフードライター、料理批評家、シェフ、レストラン経営者、著名な美食家などから構成される評議委員会があり、メンバーによる過去18ヶ月間における最高のレストラン・ダイニング体験についての投票を元に選ばれています。運営団体が指定する詳細な審査基準はありませんが、投票に関しては厳しいルールを設けています。
「アジアのベストレストラン50」の投票・審査方法についての詳細は以下をご覧ください。
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