トヨタ: パラリンピック アルペンスキー日本代表 森井大輝選手、新開発のチェアスキーで悲願の金メダルにチャレンジ
- 2018年03月09日 15:30:00
- テクノロジー
- JCN Newswire
今回のチェアスキーは、トヨタと日進医療器がフレーム・リンクを共同開発し、森井はトップアスリートとして開発に参画した。フレーム・リンクは理想の滑りを実現するために軽量化と高剛性を追求。車両開発で培ったシャシー設計技術とCAE解析技術を活用して、従来モデル比約15%の軽量化と約3倍の高剛性を実現した。また、高速滑走時における安定性向上のため、風洞実験室などで走行風を解析し、カウル形状のデザインを実施。風の流れを改善した。
トヨタは2015年のオリンピック・パラリンピックワールドワイドパートナー就任を契機として、従業員の意識改革やトヨタグループの一体感醸成に取り組む中で、従来からの活動である社内アスリートや運動部のサポート強化に加え、クルマづくり・モノづくりで培ったトヨタならではの技術力を競技用具の開発に活かすことができないかと考えていた。
一方、森井は悲願の金メダルを目指し、様々なトレーニングに取り組む中で、トヨタの従業員としてできることを考えていた。スキーとクルマという一見まったく違う分野で、競技に対する新たな視点と改善点を見出すきっかけを見つけたいとの想いから、富士スピードウェイに足を運び、レーシングドライバーの脇阪寿一氏が運転するクルマでコースを周回。クルマとスキー競技に共通するコーナーでのライン取り、視線の位置、荷重移動などのスキルに加え、トップアスリートとしてのメンタリティなど、チェアスキーにつながる数多くのヒントを得た。
トヨタのオリンピック・パラリンピックに技術力で協力したいという考えと、森井の金メダルに対する強い想い。双方の想いが一致し、2015年7月、技術者のべ40名が関わる「チーム森井」が結成された。トヨタにとって初めてのチェアスキーの開発は、当初は何ができるかわからない手探りの状態だったが、アスリートと共に世界に挑戦できることは、従業員の大きな誇りとやりがいにつながり、「チーム森井」はチャレンジを続けた。
チェアスキーの複雑な仕組みやアスリートの競技中の体勢について研究を重ね、森井によるテスト滑走・データ計測を行うことで、理想の滑りを実現すべく、開発のコンセプトを詰めた。また、本来、クルマの高速走行時を再現し、データを測定する風洞実験室での計測も行い、最も空気抵抗の少なくなる体勢やチェアスキー自体の空力特性を徹底的に研究した。
「チーム森井」のプロジェクトリーダーの榎本朋仁は、「初めてのチャレンジに挑む私たちを快く迎え入れてくださった共同開発パートナーの皆様に感謝しています。森井選手のように志の高いアスリートと緊密に協力し合えたことは、何ものにも代えがたい喜びであり、もっといいクルマづくりにも活かせる学びが数多くありました。私たちは、森井選手のパラリンピックでの活躍を通して、『モビリティソリューションの提供を通じ、すべての人の夢をかなえる』というトヨタの新たな目標へチャレンジする情熱を示していきたいと思っています」と語った。
森井は、「クルマとスキーには、バランスや力の入れ方等、共通する部分を多々見つけることができ、このチームと共に理想のチェアスキーを追求できたことは金メダル獲得に挑む上でかけがえのない経験になりました。また、ユーザーが求めているものは何かを徹底的に考え、それをテクノロジーで解明し具現化していく『お客様第一』の開発姿勢を、まさにこのチームの取り組みを通じ感じました。全力で競技と夢に挑む姿をお見せすることで、多くの方々に勇気をお届けしたいと思います」と語った。
トヨタの技術は、海外アスリートのサポートにも使われている。ドイツ・ケルンにあるトヨタモータースポーツ有限会社(以下、TMG)は、WECなどのモータースポーツで培った技術力を活かし、2012年のロンドン夏季パラリンピック大会以降、ドイツ人パラアスリートのアンドレア・エスカウ選手の夏季競技用の自転車及び冬季競技用のスキーそりの開発に協力してきた。エスカウにとって、通算6回目、冬季大会としては3回目のパラリンピックとなる平昌大会にTMG製の新型スキーそりで出場する。
トヨタは、「スポーツを通じた平和で差別のない社会づくり」「モビリティを通じた持続可能な社会への貢献」を目指しており、3月9日より始まる平昌冬季パラリンピック大会では、パラアスリートたちの挑戦を技術力でサポートしていく。
本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
https://newsroom.toyota.co.jp/jp/corporate/21389589.html
概要:トヨタ自動車株式会社
詳細は http://toyota.jp/ をご覧ください。
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