富士通研究所、グラフェンを利用した新原理ガスセンサーを開発
- 2016年12月05日 18:10:00
- テクノロジー
- JCN Newswire
大気汚染の検知や、呼気に含まれる生体由来ガスの検査など、特定のガス成分を短時間で高精度に測定できる小型の測定装置が望まれています。
今回、シリコントランジスターのゲート部分をグラフェンで置き換えた構造を持つ新しい原理のガスセンサーを開発しました。本センサーは、数十ppb(parts per billion、10億分の1)以下の濃度の二酸化窒素(NO2)やアンモニア(NH3)などを検出可能であり、特にNO2については、従来型センサーの10倍以上となる1ppb以下の感度を持ちます。
本技術により、これまで、対象ガスによっては数十時間かけて観測していた大気環境をリアルタイムに観測する装置や、生活習慣病の早期発見のための呼気中のガス成分を手軽に分析する装置などの実現が期待されます。
本技術の詳細は、12月3日(土曜日)から米国サンフランシスコで開催されている国際会議「IEDM 2016(2016 IEEE International Electron Devices Meeting)」にて発表します。
開発の背景
炭素原子一層分の厚みの二次元材料であるグラフェンは、その優れた電気特性から、微細化限界に到達しつつあるシリコン大規模集積回路の限界を打破する、次世代デバイスの材料として注目を集めています。富士通研究所はグラフェンを利用した超高速・低消費電力トランジスタや、革新的デバイスの開発を目指す一方、グラフェンを利用した高感度センサーなど機能的デバイスの開発にも取り組んでいます。
課題
グラフェンを利用した機能的デバイスの1つとして、ガスセンサーがあげられます。大気汚染検知や人の呼気中に含まれるガス検知などのため、高感度(ppb単位)で、特定のガス成分を高精度に測定できるガスセンサーが望まれています。ガスクロマトグラフィーなど専用の装置を使えば、極めて高感度に各種ガスを検出することが可能ですが、装置が大型である、測定に時間がかかる、などの課題があります。携帯可能でリアルタイム測定が可能なものとして、半導体式ガスセンサーなどがありますが、一般には感度がppm(parts per million、100万分の1)単位であり、特定のガス成分を検出するには性能が不十分です。グラフェンを利用したガスセンサーとしては、これまでガス吸着時のグラフェンの抵抗値の変化を検出するセンサーが提案されています(注2)が、1ppmの濃度のガスに対して抵抗変化率は数%程度であり、実用化には至っていません。
開発した技術
今回、グラフェンを利用した新原理のガスセンサーを世界で初めて開発しました。本センサーは、通常のシリコントランジスターのゲート部分を原子一層分の厚みのグラフェンで置き換えた構造を持ちます。ガス分子がグラフェンに吸着すると、グラフェンの仕事関数(注3)が変化し、その結果シリコントランジスターのスイッチング特性が大きく変化する原理を利用してガスを検出します。また、ガス分子がグラフェンから離れると元の状態に戻ります。
今回開発したセンサーは、窒素中においてNH3については数十ppb程度、NO2においては1ppb以下の感度を実現し、さらに、実験の結果、大気成分の分析や呼気分析などを想定したガスの中では、NO2、NH3にのみ反応し、特定のガスだけを検出できることを確認しました。
本技術のNO2に対する感度は、1ppb以下と、従来のグラフェンを用いた抵抗変化型センサー(注2)や市販の数十ppbの感度を持つ電気化学式センサーと比較して、10倍以上であることがわかりました。
効果
今回開発したセンサーは、検知部分が数百マイクロメートルと小型ですが、さらに小型化(例えば1マイクロメートル以下)することが可能です。また従来技術より感度が高く、さらに検知が化学反応によらないため、熱を加えるなどして吸着したガスが離れると元の状態に戻るという特徴を持っています。このセンサーを使うと、大気汚染の指標として40から60ppbという環境基準があるNO2について、場所を選ばず、リアルタイムで高感度に測定する小型装置の実現が可能となります。
今後
富士通研究所では、今回原理実証を行ったグラフェンゲートセンサーに関し、実環境中での特性検証や耐久性調査などを行った後、環境センサーとしての実用化を目指します。また、グラフェンと他の分子などを組み合わせることにより、二酸化窒素、アンモニア以外のガスの検知を目指します。
また、2016年4月に発表したNH3を高感度に測定できるセンサー(注4)と組み合わせることにより、生活習慣病の早期発見を目指した呼気中のガス成分の分析や、携帯可能で高感度なにおいセンサーに適用していく予定です。これによって生活習慣病の早期発見のための呼気中のガス成分を体温計のように手軽に分析する装置などの実現が期待されます。
本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2016/12/5.html
注釈
注1 株式会社富士通研究所:本社 神奈川県川崎市、代表取締役社長 佐々木繁。
注2 これまでガス吸着時のグラフェンの抵抗値の変化を検出するセンサーが提案されています:例えば、論文(F. Schedin, et al., Nature Materials 6, 652 (2007))では、1ppmのNO2にさらした際、4%程度の抵抗変化が報告されている。
注3 仕事関数:金属内の電子を取り出すために必要な最低のエネルギーのこと。グラフェンの場合通常の金属と異なり、ガス分子が吸着して分子との間で電子のやり取りなどが起こると、仕事関数が大きく変化する、という特徴がある。
注4 NH3を高感度に測定できるセンサー:息に含まれる成分を素早く測定できる呼気センサーデバイスの開発に成功(2016年4月18日プレスリリース)
概要:富士通株式会社
詳細は http://jp.fujitsu.com/ をご覧ください。
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