アジア地域は、第2四半期に世界の全地域を通じて最も高い水準の信頼感を記録しましたが、第3四半期には米国、欧州に後れを取りながらも、世界平均の59.2ポイントをわずかに上回りました。
主にアジアの新興国経済において景況感の低下が見られました。ASEAN 諸国におけるYPO会員のCEOの信頼感は、本調査開始以来7年間で最低水準に下落し、インドネシア、マレーシア、シンガポール、ベトナムの各国で楽観的な見方が大きく後退しました。
その他のアジア地域の経済大国では、信頼感は堅調を維持しました。中国では信頼感はわずかに0.8ポイント下げ、年間最低水準の61.4ポイントでしたが、依然としてしっかり楽観的な領域にあります。インドでは2.0ポイント下げ66.0ポイントとなりましたが、同地域で最も信頼感の高い国、および世界トップ10の経済大国のポジションを維持しました。日本では信頼感は1.1ポイント改善し55.1ポイントとなりましたが、この数値は依然として同地域スコアの60.0ポイントを下回る水準です。
YPOマレーシア支部会長でiflix MalaysiaのCEOであるAzran Osman-Raniは、次のように述べています。「アジアにおける経済見通しは地域によって大きく異なります。新興国経済圏はドル安傾向への懸念や中国やインドの短期的な経済パフォーマンスに対する継続的な懸念を抱えています。一方、経済先進国のビジネスリーダーは強気な見通しを維持しており、これは好ましい兆候だと言えます。アジア地域のビジネスリーダーは、2017年事業計画をまとめるにあたり、主要な経済指標を綿密にモニタリングすることでしょう。」
世界的に見ると、2016年第3四半期のYPO Global Pulse信頼感指数は、0.5ポイント下げ59.2ポイントでした。最も高い水準を記録したのは欧州で、信頼感は2.2ポイント増加し、60.7ポイントとなりました。第3四半期に安定感を維持した米国が僅差で後を追い、信頼感は60.8ポイントからわずか0.4ポイント下げ、60.4ポイントを記録しました。このことは、世界の3大経済地域の信頼感が1ポイント以内の差であったことを意味しています。その他、ラテンアメリカでは、信頼感は1.5ポイント上昇して55.9ポイントとなり、中東・北アフリカは、2.0ポイント下げ53.9ポイントを記録し、世界で最も悲観的な地域となりました。アフリカでは、信頼感は1.7ポイント上昇し55.5ポイントとなり、2015年7月以来の最高水準を記録しました。
アジアにおける重要な調査結果
販売、雇用、投資で見通しの引き下げ
経済情勢に対する懸念は、CEOが統括する組織の今後12ヶ月間における見通しに影響を及ぼしています。本調査における主要3指標の販売、雇用、固定資産投資のすべてが第3四半期に下落しました。
最も注目すべきは、YPOアジア雇用信頼感指数が2.7ポイント下げ55.5ポイントとなり、過去4年間で最低水準を記録したことです。これは、失業が引き続き同地域の多くの経済における課題になることを示しています。
次年度の雇用増加を予測したCEOは3分の1(30%)に満たず、前期の38%に比べて大きく減少しました。最新の調査では、10%が従業員を削減する見通しを示しました。前回調査時には7%でした。
同様に、今後12ヶ月間の販売の見通しでは、66%のビジネスリーダーが収益の増加を予測しています。この数値は前期の72%から減少しています。
地域別調査結果
東南アジア
ASEAN経済圏の信頼感は崩壊。ASEAN諸国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ブルネイ、ミャンマー、カンボジア、ラオス、ベトナム)のYPO Global Pulse信頼感指数は大きく7.9ポイント下落し52.6ポイントとなり、本調査開始以来7年間で最低水準を記録しました。この数値はアジア全体のスコアよりも7ポイント以上下回っています。
南アジア
インドのビジネスリーダーは楽観的な見通しを維持。第3四半期に、インドにおけるYPO Global Pulse信頼感指数は68.0 ポイントから2.0ポイント下げ66.0を記録しましたが、依然としてしっかり楽観的な領域にあります。インド政府が推し進める構造改革への反対から、信頼感指数はわずかに低下していますが、インドのビジネスリーダーは経済情勢や自身が統括する組織の成長にきわめてポジティブな見通しを維持しています。
オーストララシア
オーストララシアの信頼感は上昇。第3四半期のオーストララシアにおけるYPO Global Pulse信頼感指数は58.3 ポイントから2.3ポイント上昇し、60.6ポイントとなり、2015年7月以来の最高水準を記録しました。
同地域のビジネスリーダーは自らが統括する組織の将来の見通しを立てるにあたり、前期よりも一層控えめな売上高の予測を立てていますが、固定資産投資、雇用については増加すると予測しています。
半数以上(57%)のCEOが今後12ヶ月間における売上高の増加を予測しています。この数値は前期の61%から減少しています。次年度に雇用の増加を予測しているのは43%で、前期の35%から増加しています。また、53%は固定資産投資がさらに増加すると予測しています。3ヶ月前の前回調査では同回答はわずか36%でした。
2017年に向けて、今後の見通しは現状維持を続けると見られています。半数近く(49%)のCEOが、今後6ヶ月間に、自身が統括する組織に影響を及ぼすビジネスおよび経済情勢の変化はほとんどまたは全くないと予測しています。4分の1以上(28%)は状況は改善するとしており、24%は経済の見通しは悪化すると予測しています。
YPO Global Pulse信頼感指数
2016年10月の最初の2週間に実施したこの四半期ごとの電子調査では、アジアの180人とオーストララシアの69人を含む世界中の最高経営責任者1,625人から回答を集めました。この調査の方法論や世界各地の結果に関する詳細については、 www.ypo.org/globalpulse をご参照ください。
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