東京都は現在、中小企業のデジタル化を支援する「デジタル技術導入促進ナビゲーター事業」を実施しています。中小企業の課題を洗い出し、業務をデジタル化するためのアドバイスや具体的なITツールの候補選定などをお手伝いします。事業を利用することでどんなメリットを見込めるのか。アナログだった業務がデジタル化でどう変わるのか。本事業の概要と活用することによる効果を整理します。
「デジタル化が叫ばれているが、何から取り組めばいいのか分からない」「ITに精通する人材がいないため、ITをどう導入し、どう運用すればいいのか分からない」。ITやデジタルを駆使して業務の効率化を図りたくても、具体的な取り組みや進め方が分からない企業は少なくありません。
そこで、こうした企業などのデジタル化を支援する事業があります。東京都が実施する「デジタル技術導入促進ナビゲーター事業」です。東京都内の中小企業や個人事業主を対象に、デジタル化をどう進めればよいのかをアドバイスします。
デジタル化に精通するナビゲーターと呼ぶ専門家が、企業のデジタル化を専任でサポートするのが特徴です。具体的には、ナビゲーターと面談し、デジタル化を進める上で支障となる課題の洗い出し、業務の棚卸による無駄の把握、課題を解消するIT製品・サービス候補の選定などを進めます。診断ツールを活用し、現在のデジタル化の進捗度も可視化します。さらに、IT製品・サービスの導入負担を軽減する助成金や補助金も案内します。ナビゲーターが企業の現状を整理するため、ITに詳しい人材がいない企業でも何が問題なのか、何から取り組むべきかを容易に把握できるようになります。
ナビゲーターを交えたヒアリングを、最大5回まで実施できるのも特徴です。一度の面談では現状を把握できずとも、二度三度とナビゲーターとの面談を繰り返すことで、自社の現状や課題を把握しやすくなります。段階を追ってデジタル化も進めやすくなります。なお、ヒアリングを5回実施した場合、支援を終了するまでに約3カ月程度がかかる見込みです。ヒアリングはナビゲーターが企業を訪問して実施しますが、オンラインによる面談にも対応します。
本事業は無料で利用できるのも大きな特徴です。最大5回のナビゲーターとの面談はもとより、具体的な相談やアドバイス、提案も含めて無料で受けられます。自社の現状を第三者に分析してもらったり、他社のデジタル化の実施状況を聞いたりするだけでも十分な効果を見込めます。ただし、IT製品・サービスを導入する場合、初期導入費などのコストがかかることがあります。
本事業を活用すれば、デジタル化によるさまざまな効果を見込めます。例えば、請求書や納品書などの帳票作成を自動化するITツールを導入すれば、手書きによる帳票作成のミスを減らせるほか、自動化による業務効率向上を見込めるようになります。紙の帳票類をデジタル化することで、電子帳簿保存法への対応も見込めます。そのほか、クラウドサービス導入による柔軟なシステム基盤構築、MA(マーケティング・オートメーション)ツール導入やホームページ改修による新規顧客獲得など、課題に応じた対策を打ち出すことによる効果を得られるようになります。
本事業の実施期間は、2024年3月31日(日)まで。参加企業数が上限に達した場合、受付を終了するので注意が必要です。
本事業への参加は、専用フォームから申し込みます。事務局より参加決定の案内がメールで届いたら、ナビゲーターとの面談日などを調整します。
ITが業務と密着に関わるようになる中、デジタル化を喫緊の課題として取り組む企業が増えています。もしデジタル化に乗り遅れれば、競合他社に追随できなくなるほか、効率性や生産性を損なう事態を招きかねません。どうすればデジタル化で事業を加速させられるか。この答えを導き出すヒントを、「デジタル技術導入促進ナビゲーター事業」を通じて探してみてはいかがでしょうか。自社だけでは成し得なかったデジタル化の道を切り開くきっかけとなるに違いありません。
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