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相手との心理距離を近づけ共感を醸成せよ!


ビジネスを語る上で切り離すことのできない「人間関係」。しかし、近年は関係が希薄化し、ビジネスの現場で良好な関係は失われつつあります。ではどのように関係を再構築すればよいのか。良好な関係を築く上で見逃しがちなポイントとは。相手との距離を縮める「外交」の必要性について考えます。【週刊SUZUKI #124】

ビジネスを成功に導く鍵は何か――。多くの企業は、優れた商品やサービス、あるいは緻密な戦略こそ重要と考えるに違いありません。しかしこれらの多くは、必ずしもビジネスの本質をとらえたものではありません。もっと目を向けるべきは「人間関係」です。「人間関係」こそがビジネスの根底を支え、ビジネスを成功へと導くのです。人間関係を無視する限り、どんな施策も成功の鍵とはなり得ません。人と人との物理的な距離はもとより、心の距離も広がりつつある今こそ、人との距離を意識的に近づける「外交」の重要性が増しているのです。

外交と聞くと、国と国との交渉や、大企業の取引先との関係構築をイメージするかもしれません。しかし、私が提唱する「外交」は、もっと身近なものです。例えば家族、友人、職場の同僚、上司、部下、取引先、顧客といった、あらゆる人との距離を近づける取り組みを指します。自身を取り巻くあらゆる人と良好な関係を築くことが、ビジネスを成功に導く糧となるのです。困ったときに手を差し伸べる仲間が、ビジネスで行き詰ったあなたを後押ししてくれるのです。

では、人と良好な関係を築くためには何が必要か。それは、互いの心を理解し、共感し、互いから学び合う関係性を築くことです。

私たちは他者との関わりの中で、喜びや幸せを感じています。共通の話題で盛り上がったり、同じ目標に向かって協力したりすることで、一体感が生まれます。たとえ意見が異なったり考え方が違ったりしても、そこから新たな発見や学びが生まれることで、さらなる成長を遂げることができます。こうした「共感」と「学び合い」こそが、健全な人間関係の基盤となるのです。私が定義する「外交」の核心となるのです。

とはいえ、人との距離を縮めることは必ずしも容易ではありません。縮めるためには自ら意識し、行動を伴う「努力」が不可欠です。例えば、オフィスで毎朝挨拶するにしても、形式的な挨拶をどれだけ重ねても距離は縮まりません。相手の目を見て挨拶するのはもちろん、笑顔を添えることで距離は次第に縮まります。「挨拶される側は、どう感じるか」という相手の立場になって考える姿勢が、距離を縮めるためには必要です。その姿勢を具体的な行動に変えようとする努力も欠かせません。

「どうすれば相手は喜ぶか」。人との距離を縮めるポイントは、この問いに集約しています。ビジネスとは突き詰めると、誰かのために何かを提供し、その対価をもらうことです。このとき、相手に喜んでもらわなければ対価を得られないし、相手が喜ばなければビジネスは成り立ちません。この原則は人間関係も同じです。相手が喜ぶために行動することで、良好な関係を構築できるようになるのです。つまり、相手に喜んでもらって構築した人間関係は、ビジネスの成果にも直結するのです。このとき大切なのは、互いに共感するよう努め、対話を重ねて学び合うよう努めることです。この努力の繰り返しが相手の喜びに必ずつながります。この一連の取り組みが、ビジネスを成功へと導く「外交の心得」の第一歩なのです。

皆さんは周囲の人とどんな関係を築いていますか。それは望ましい関係と言えるでしょうか。もしギャップがあるなら、まずは距離を縮めるよう努力すべきです。相手が喜びそうなことを、相手の立場になって考えるべきです。その些細な気持ちの変化が、多くの人と良好な人間関係を構築するきっかけとなるのです。その小さな一歩が、ビジネスを成功へと飛躍させるのです。

【外交の心得 その1】

筆者プロフィール

鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。 99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。 2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。 16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。他に、日本オムニチャネル協会 会長、SBIホールディングス社外役員、東京都市大学特任教授を兼任。

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