成長するために必要な強い覚悟。しかし、どんなに強い覚悟を決めても、多くの人がすぐに気を緩めてしまうのではないでしょうか。覚悟を貫き通すには何が必要か。成功を呼び込むためにはどんな姿勢を教訓にすべきか。目的に向かって最後まで走り抜けるときに必要な心構えについて考えます。【週刊SUZUKI #76】
成長したいと思うなら、生半可な覚悟では不十分です。「必ず成長するんだ」という断固たる覚悟が必要です。揺るぎない意志を貫き通し、成長を実感できるまで走り抜く気持ちを持ち続けることも必要です。
何より求められるのが「本気度」です。本気でやり抜こうとする気持ちがあるかどうかが、人の成長に大きく左右します。本気でなければ、いくら努力しても無意味です。どれだけ頑張っても価値を見い出すことなんてできません。本気でやり抜けるかどうか。自分と向き合い、こんな気持ちが育まれているかを問うた上で行動すべきです。
過去の偉人や成功者からは、本気でやり抜こうとする姿勢をすべからく感じ取ることができます。どれだけ逆境でも、どんなに険しく危険な道でも「必ず成し遂げる」「必ず成果を出す」という気持ちで最後まで貫き通しています。この強い信念を持ち続けたからこそ、実際に成果や結果に結実しているのです。
中には途中で満足してしまう人もいるでしょう。例えばマラソンで言えば、「35キロメートルまで走り続けたんだからもう十分」などと、苦しさから逃れようとこんな言い訳を考えてしまう人もいるでしょう。しかし、歩いてでも制限時間を目いっぱい使ってでも、ゴールを切ることに意味があります。
私も若いとき、マラソンに挑戦したことがありますが、終盤を迎えたときに足がまったく動かなくなりました。しかし足を引きずってもゴールを目指し、失速しながらもゴールを迎えることができました。このゴールを迎えたときの景色が今も忘れられません。ゴールで倒れ込んだとき、苦しさよりも自然と笑みがこぼれたことも忘れられません。何かを成し遂げたときにしか味わえない思いが、本気でやり抜いた先にはあるのです。
人は辛いことや苦しいことからつい逃げ出したくなるものです。このとき、諦めてしまえばただの凡人です。過去の偉人や成功者は困難を乗り越え、目的を成し遂げているのです。凡人になるか、偉人や成功者のように最後までやり抜くか。辛く苦しいときこそ、あなたの「本気度」が試されるのです。
筆者プロフィール
鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。 99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。 2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。 16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。他に、日本オムニチャネル協会 会長、SBIホールディングス社外役員、東京都市大学特任教授を兼任。