自分の実力以上の仕事は到底無理…。こう考える人は多いものの、今後の成長を期待するなら無理を覚悟で挑むべきです。実力以上の力を発揮するには何が必要か。自分の殻を打ち破るためにはどんな姿勢を心がけるべきか。120%の実力を出すための秘訣に迫ります。【週刊SUZUKI #74】
自身を成長させる源泉となる「行動力」。積極的な行動を伴うことで、人は大きく成長します。しかしそこにはリスクを伴います。行動すれば失敗することがあるし、無駄に終わることもあります。さらに、「必ず成功しなければ」と、大きなプレッシャーを背負うことにもなります。これらのリスクがあると分かっていても、私たちは成長するために行動しなければならないのです。
プレッシャーに圧し潰されるのが怖いからといって、行動しないわけにはいきません。むしろプレッシャーを楽しむくらいの余裕を持つべきです。プレッシャーを心地よいストレスと感じるくらいのゆとりを持つべきです。そもそも、プレッシャーを感じない行動に意味はありません。困難を乗り越えることで初めて人は成長するのです。プレッシャーを嫌がらず、「これを乗り越えれば成長できるんだ」と思えるかどうか。こんな気持ちを持てるようになれば、プレッシャーに圧し潰されずに行動を起こすことができます。
では、重圧や試練を克服するにはどんな姿勢が必要でしょうか。それは、自身の想定を上回る覚悟です。「周囲の仲間よりちょっと頑張ればいい」と思う程度では不十分です。全力と思える実力の120%を発揮する覚悟が必要です。
「自分には100%の実力しか発揮できない」と思っている人でも、120%の実力を出せるよう背伸びしてください。最初は何もできないかもしれません。しかし、101%、102%と徐々に実力以上の力を発揮できるようになります。その結果、今の実力以上の成果を残せるようになります。自分の実績では到底太刀打ちできないプロジェクトに参加したり、実力以上の業務をこなしたりすれば、いずれは結果に結びつきます。常に背伸びし、挑み続ける姿勢が成果を手繰り寄せるのです。
あなたが今取り組んでいる仕事は、今の実力の何%でこなしていますか。もし8割や9割で足りるなら、自身の100%を超える仕事に挑んでください。難易度の高いプロジェクトに自ら飛び込み、チャレンジしてください。120%の仕事に挑み続けたとき、自分のこれまでの殻を打ち破ることができます。こうした意欲が、自分を成長させるためには不可欠です。
筆者プロフィール
鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。 99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。 2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。 16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。他に、日本オムニチャネル協会 会長、SBIホールディングス社外役員、東京都市大学特任教授を兼任。