挑戦し続けるには強い覚悟が必要なのは言うまでもありません。その一方で、周囲の環境も挑戦を成し遂げられるかに大きく左右します。どんな環境が挑戦を後押しするのか、成功へと導いてくれるのか。挑戦を促す環境について考えます。【週刊SUZUKI #70】
挑戦しようと思っても、いざ行動となると踏み止まってしまう…。こんな経験を誰もがしているのではないでしょうか。挑戦するには強い覚悟が必要です。中途半端な気持ちで挑戦しても失速するだけで、道半ばで諦めることになりかねません。いかに自分の意志を固めるか、その意志を貫き通せるかが、挑戦を成し遂げるためには欠かせません。
一方で、周囲の環境に目を向けることも大切です。あなたの挑戦を後押しする環境に身を置くことで、強い覚悟を持てるようになります。途中で諦めることなく、挑戦を初志貫徹できるようになります。
例えば、職場が挑戦を許容する風土であることが必要です。組織の中には、挑戦を阻害する雰囲気が醸成されているケースが少なくありません。周囲の挑戦に他人事だったり、称賛しなかったりするメンバーがいることも珍しくありません。こうした環境では、周囲のサポートやアドバイスを受けられないし、そもそも皆で一緒に成し遂げようとする意欲を掻き立てることもできません。会社として挑戦する文化を育み、周囲の同僚や上司がチャレンジ精神に溢れているかどうかも、挑戦を成功させるには重要なポイントです。
職場だけではありません。あなたの家庭は、あなたの友人はどうでしょうか。挑戦する覚悟を決めたあなたに対し、どんな言葉をかけてくれるでしょうか。「必ず成し遂げられる!」「すごい!」「一緒に頑張ろう」などの声をかける家族や友人がいれば、挑戦する意欲は高まるに違いありません。もし、挑戦することに対して素っ気ない返事や態度しか見せない家族や友人なら、あなたの挑戦への思いや意欲を積極的に表現し、家族や友人も巻き込むべきです。何度も何度も思いを伝え、挑戦することの意味を理解してもらうべきです。家庭や友人の協力なしに、挑戦は絶対成し得ないのです。
大切なのは、自らを奮い立たせる環境に身を置くことです。あなたが失敗して落ち込んでいるときや、うまく進まず思い悩んでいるときに、こうした環境があなたを手助けしてくれます。一度萎んでしまったやる気を再び膨らませてくれます。もし、そんな環境に恵まれていないなら、まずは一人でいいので理解者を作りましょう。その輪が広がれば、あなたの挑戦は必ず成功します。輪を広げる過程そのものもあなたの糧となり、あなた自身を成長させるのです。
筆者プロフィール
鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。 99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。 2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。 16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。 デジタルシフトを目指す企業の支援を実施している。SBIホールディングス社外役員、日本オムニチャネル協会 会長、学校法人電子学園 情報経営イノベーション専門職大学 客員教授を兼任