近年、オンラインショッピングはユーザーにとって欠かせない存在となっていますが、特にアパレル・ファッション業界においては、多くのユーザーが自分の体型や雰囲気に合ったアイテムをECサイトで見つけることに苦労しており、買い控えや購入後の返品につながっています。その対策としてアパレル事業者はモデル撮影やコンテンツ制作に膨大なリソースを費やしていますが、ユーザーの悩みを完全に解決できていないという課題を抱えています。これを受けて、SCSK株式会社はAI技術を駆使した新サービス「MIM」(My Image Model:ミム)を発表しました。このサービスは、バーチャル試着の機能を持ち、ユーザーの個性に寄り添いながら新たなショッピング体験を提供します。
オンラインショッピングで解決しないユーザーと企業の悩み
オンラインでの買い物が一般化する中で、ECサイトでのアパレル商品の返品率は時に30%を超えることもあります。その背景には、商品画像やモデルの着用例が一律であることから、実際の購入者の体型や雰囲気に合うかどうかをイメージしづらいという問題があります。そのため、「イメージと違った」という理由で返品に至るケースが後を絶ちません。
また、ユーザーにとっては「自分の雰囲気や体型に似合う服を探すのが大変」「試着しないと自分に合うかがわからない」といった悩みが根強く存在しています。これは、店舗で例えるなら“鏡のない状態”で買い物をしているようなもので、不安感が購買意欲を下げ、返品や買い控えにつながっています。
アパレルECを運営する企業は、こうしたユーザーの悩みを解決するためにさまざまな対応をしていますが、「スタッフのコーディネート撮影の負荷が高い」「LPやコンテンツ制作に時間と手間がかかる」「ユーザーにパーソナライズしたコーディネートを提案することがデジタル上では難しい」といった課題を抱えています。これらの課題により、ユーザーのニーズに応えきれず、販売機会を逃すケースが少なくありません。
こうした課題を解決するために開発されたのが、SCSKの「MIM」です。MIMは、画像生成AIを活用することにより、デジタル上で自由にスタイリング体験ができる革新的なサービスです。
MIMで進化するECショッピング、魅力的な購買体験が実現!
MIMは、ユーザーが身長、体重、髪型などの情報を入力し、さらに顔写真をアップロードすることで、本人に限りなく近いAIモデルをリアルタイムで自動生成します。これにより、ユーザーは自分自身に似たAIモデルを使ってバーチャル試着を楽しむことができ、パーソナライズ性を高めた新しいショッピングを体験できるようになります。
さらに、MIMでは、トップス、アウター、ボトムスなどのアイテムをユーザーが自由に組み合わせて、オリジナルのコーディネートを作り上げることができるカスタマイズ性が提供されます。この柔軟性により、自分のスタイルにぴったりのアイテムを簡単に見つけ、購買判断をしやすくします。
また、MIMは実際の商品画像を基に、服のシワや光沢、透け感などを忠実に再現したリアルな試着画像を生成します。このビジュアライズ性により、ユーザーは自宅にいながらにして商品の着用感や質感を確認でき、まるで実店舗で試着しているかのような体験を提供します。このように、MIMはパーソナライズ性、カスタマイズ性、ビジュアライズ性を駆使して、ECサイトでの購買をより魅力的で確かなものにしています。
加えて、MIMの導入は非常に手軽です。ECサイトに掲載されている商品画像と着丈や袖丈などのサイズ情報を連携するだけで、ユーザーの特徴を反映したAIモデルのリアルタイム生成が開始できます。新たにデータを準備する必要がないため、迅速に導入でき、ECサイト運営者にとっても負担が少なく、効率的にサービスを活用できます。

さらに、モデル撮影やLP制作などにかかる業務負荷やコストの削減も実現します。スタッフのリソースをクリエイティブな業務に集中させることができ、アパレル企業にとっても大きな経済的メリットがあります。ECサイトへ設置する以外にも、店頭接客の際にバーチャル試着を活用してユーザーが何度も試着する手間を軽減したり、LINE等のチャットツールを使ったデジタル接客時のコーディネート提案に活用したりなど、さまざまなシーンで活用することもできます。
「MIM」は、ユーザーと企業の双方に新たな価値を提供する次世代の試着体験です。返品率の低下、ECサイトの売上向上、業務効率化を同時に実現する革新的なソリューションとして、今後の展開に大きな注目が集まっています。MIMおよびMIMサービスロゴはSCSKにより商標登録出願中です。詳しくは「MIM」の公式ホームページまで。
関連リンク
次世代型パーソナライズドスタイリングツール MIM(ミム)