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「キャリアの振り返りが苦手な50代」が続出!?なぜ自分の”やりたいこと”が見えなくなってしまうのか


「人生100年時代」を迎えた現代、セカンドキャリアへの取り組みが重要視されています。特に重要なのが、これまでの経験やスキルを振り返り、新たなキャリアプランを立てる「キャリアの棚卸」です。キャリアの振り返りには「Will・Can・Must」というフレームワークが役立ちますが、特に「Will」つまり「やりたいこと」を見つけることが難しいとされています。多忙な日常では「Can」と「Must」に追われがちであり、「Will」が意識に上ることは少ないです。そのため、プロの力や周りの人の意見を借りることが大切です。自身の強みや弱みを客観的に捉え、周囲とキャリアについて話し合うことで、新たな発見があるかもしれません。

「人生100年時代」と言われる今、セカンドキャリアをどう築くか。前回までは、セカンドキャリアの始め方に関するポイントをお伝えしました。今回は、セカンドライフを考える際に必ず必要となる「キャリアの棚卸」について取り上げます。自分のこれまでの経験やスキルを振り返り、整理・分析することで、今後のキャリアプランを定めることができます。しかし、苦戦する人は多くいます。なぜキャリアの棚卸が難しいのか、どのように進めるべきか、そのポイントをお伝えします。【会社員から社会人へ!50代からのキャリア実践ガイド#3】

「Will・Can・Must」で自分のキャリアを振り返る

キャリアを考えるフレームワークは数多くありますが、最もよく目にするものの一つに、リクルート社が開発した「Will・Can・Mustシート」があります。

Will:やりたいこと
Can:出来ること
Must:周りから求められること
の3つの視点から整理をするものです。

「Must」は強制という印象が強すぎるため、「Need」や「Should」とアレンジしたバージョンもありますが、出所は同じです。皆さんも一度は行ったことがあるのではないでしょうか?

経験を重ねると、日常のほとんどが「Can」(出来ること)と「Must」(周りから求められること)で構成されています。自分ができることで組織に貢献し、会社や家族からの期待に応える毎日を送っているのです。これに応えているだけでも、十分に忙しい日々だと思います。「そもそも、自分は何をやりたかったのか?」という「Will」(やりたいこと)を考える時間は、あえて作らない限り、多忙な日常の中で意識に上ることはないのです。

転職経験のある方もいらっしゃるでしょう。この時に「Will」(やりたいこと)を問いかけてくれるエージェントと巡り合えたなら、貴重な出会いです。縁を大事にし、人生の節目に相談できる関係を築くことをおススメします。多くの転職は、自分の「Can」と組織(転職先候補)の「Must」のマッチングになりやすく、結果として転職で整理されることは「Can」と「Must」に留まりがちです。

転職市場は人材を求める企業からフィーをもらうビジネスモデルであるため、やむを得ない部分もあります。企業にとっては、程度の違いはあるものの、採用した方に即戦力として活躍してもらいたいという意向があります。もちろん、カルチャーフィットやキャリア自律を重視する企業もありますが、優先順位として「Will」(やりたいこと)よりも「Can」(出来ること)を先に確認せざるを得ず、限られた時間の中で効率的に取り組むことを考えると、「Will」まで手が回らない事情もあるのです。

いざ考えるとためらってしまう「Will(やりたいこと)」

先日、キャリア相談に来られた50代男性の方は、開口一番、「自分ではWill(やりたいこと)が分からないので引き出してください」とおっしゃいました。この方は「自分では分からない」ことを「分かっている」状態で、こうしてプロの力を借りに来てくれるのはありがたい限りでした。こちらも、どんな問いを出そうか脳がフル回転しました。

キャリアの棚卸は「やらねばならぬMust」ではないため、後手に回りがちです。初めて行う場合は、なおさらです。本を読んでやった気になっても、目の前には永遠に埋まらない白紙が残り続けます。

キャリアの棚卸を始めるポイントは「周りの力を借りること」です。

経験を重ねた50代の皆さんは、自分の力でやってきたからこそ、特に自分のことに関して誰かに頼ることが苦手。そして、自分の強みは当たり前に発揮しているため、気づきにくいのです。

当社では、業界も職種もバックグラウンドも全く異なる同世代でキャリアを考えるワークショップを開催しています。「1社しか経験していない」と小さな声で弱みを話された方が、同じグループの参加者から「組織の考え方に合わせてやり方を変えたり、チームワークを大事にしているのでは?」と声をかけられ、自分にとっての弱みが他人から見たら強みだと驚かれる場面をよく目にします。

「強みと弱みは紙一重」と言われますが、まさにその通りです。ワークショップに参加しなくても、家族や友人など身近な人に声をかけてみることから始めても良いのです。意外にも、自分が思っている強みや弱みと、周りの人が思っていることは異なるものです。

筆者プロフィール

大桃綾子
Dialogue for Everyone株式会社 代表取締役
1981年生まれ、新潟出身。三井化学にて人事・事業企画に約10年従事。トリドールホールディングスを経て、2020年創業、40代50代に特化したキャリア自律・越境学習プログラムを展開。 地方企業と都市部人材の副業マッチングサービスJOINS取締役、新潟県産業ビジョン2030委員、広島県呉市中小企業・小規模企業振興会議ワーキンググループ委員などを務める。プライベートでは2児の母。

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