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「70歳まで働く」が当たり前の社会は目前。“定年=終わり”にならないセカンドキャリアの始め方とは


セカンドキャリアを考える際、大きな決意が必要だと考えがちですが、実際には小さな偶然や新しい行動から始めることが重要です。50代でのキャリアチェンジでは、偶然の出会いや新しい経験が大きな変化のきっかけとなり得ます。例えば、人に会ったり、本を読んで視野を広げることが大切です。企業も「大人のインターンシップ」といった実践機会を提供し、セカンドキャリアをサポートしています。長く続くセカンドキャリアを考える際には、焦らず小さい一歩を踏み出し、経験とネットワークを広げることが重要です。

「人生100年時代」と言われる今、セカンドキャリアに悩む人は少なくありません。「セカンドキャリアを始めるには、大きな決意が必要だ」と思っていませんか?でも実は、最初の一歩は“偶然”や“ちょっとした行動”で十分なのです。50代からのキャリアが長く続くこの時代に、どのように動き出せばいいのかについて掘り下げます。【会社員から社会人へ!50代からのキャリア実践ガイド#2】

「踏ん切り」は“決意”ではなく、“偶然”でいい

前回の記事では、定年や健康上の理由などの「考えざるを得ない」状況でセカンドキャリアを考え始めること、就社世代は会社にキャリアを預けてきたため、50代を迎えた今になって自分のキャリアを主体的に考える、ということに戸惑いを感じているとお伝えしました。企業においてもキャリアを考える研修の導入が一般化しつつありますが、残念ながら「黄昏研修」と呼ばれ、この研修に呼ばれると、「あぁ俺も会社員としての最終コーナーか」と思われてしまうようです。

では、そんな50代はセカンドキャリアをどう受け止めればよいのでしょうか。そもそも「セカンドキャリアを考える」って、意を決して始めなくていい。セカンドキャリアを考えようとする時、何か大きな目標や決意が必要だと思っていませんか?最初の一歩はもっと自然で、小さなもので十分なのです。

例えば、

  • 気になる人に会いに行って、話を聞いてみる
  • いつもと違うイベントに参加してみる
  • 本を1冊読んでみる

こうしたちょっとした”新しいこと”で、小さくとも確実に情報や視野が広がっていきます。ポイントは、自分だけで抱え込まないこと。やったことがないことに不安を感じるのは当然です。だからこそ、一人で考え続けても袋小路に嵌るだけで、なかなか進みません。

実践から生まれる“変化”の連鎖

当社では、セカンドキャリアを考えるだけでなく、実践機会として「大人のインターンシップ」を提供しています。参加者の多くは、「30年の社内経験を社外で活かすお試し活動」としてインターンシップを活用しています。例えば、長年の営業経験を活かして、地方企業の首都圏での新規販路を開拓する。SE経験を活かして、北海道の道の駅の販売管理業務プロセスを改善する、といった取り組みが進んでいます。 一方で、これまでの経験を少しスライドさせたチャレンジもあります。例えば、「BtoBでのマーケティング経験を活かして、BtoCのマーケティングをやってみる。 そして、全く未経験領域での活動を希望される方も少なくありません。「農業に携わりたい」「これからの人生は地域活性化に貢献したい」といった気持ちを起点に動き始めているのです。

「自分にはそんな挑戦はできない」と思うかもしれません。実はインターンシップに参加した方の中には、説明会に6回申し込んで5回キャンセルした方もいました。迷いに迷って、6回目にようやく参加しましたが、プログラム最終日に「定年と同時に独立します」と宣言していました。

最初は誰しも不安があります。しかし、一度“アウェー”に飛び込んでみると、「こんなものか」と分かって、2歩目、3歩目の行動のハードルが下がり、自信と行動が連鎖していきます。インターンシップを通して、50代の皆さんの変化を目の当たりにし、「成長に年齢は関係ない」と、私たち自身がいつも励まされています。

長くなるセカンドキャリア、だからこそ「焦らず、動く」

2021年の法改正により、企業は70歳までの就業機会確保が努力義務となりました。「70歳まで働く」ことが当たり前の社会は目前、セカンドキャリアは10年、20年という長さをもつ時代に入っています。

50代からのキャリアは、「あと何年働くか」ではなく、「これからの時間をどう生きるか」という問いに変わってきます。長くなるセカンドキャリア期間だからこそ、役職定年や子供の独立といったタイミングを待つのではなく、小さく始めてみることが大切です。小さな準備を重ねることで、自分の志向を確認しながら、セカンドキャリアの新しい選択肢を持てるようになるのです。

筆者プロフィール

大桃綾子
Dialogue for Everyone株式会社 代表取締役
1981年生まれ、新潟出身。三井化学にて人事・事業企画に約10年従事。トリドールホールディングスを経て、2020年創業、40代50代に特化したキャリア自律・越境学習プログラムを展開。 地方企業と都市部人材の副業マッチングサービスJOINS取締役、新潟県産業ビジョン2030委員、広島県呉市中小企業・小規模企業振興会議ワーキンググループ委員などを務める。プライベートでは2児の母。

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