地域スポーツを活性化するため、埼玉県熊谷市で産学官連携が進む。AIカメラと映像分析ソフトを用いた共同研究の全貌と期待される成果に迫ります。
埼玉県熊谷市は、地域スポーツの活性化を目指して、立正大学やNTT東日本、NTTSportictと連携し、2025年1月17日に「産学官連携による映像分析を用いた地域スポーツ活性化に関する共同研究協定」を締結しました。このプロジェクトは、地域のデジタル化を進めるスマートシティ構想の一環として、デジタル技術を活用した「スポーツDX」の推進を目的としています。
この協定には複数の関係者が参加しています。熊谷市の小林哲也市長をはじめ、立正大学データサイエンス学部の北村行伸学部長、熊谷市サッカー協会の黒澤三千夫会長、NTT東日本埼玉支店の市川泰吾支店長、NTTSportictの中村正敏代表取締役社長が名を連ねています。その目的は、AIカメラや映像分析ソフトを用いて地域スポーツ団体のパフォーマンスを向上させ、データに基づいた指導・運営の効率化を図ることです。
具体的には、熊谷市スポーツ・文化村「くまぴあ」の人工芝グラウンドにAIカメラを設置し、地域スポーツ団体の練習や試合を自動で映像化します。撮影した映像は、映像分析ソフト「VIDSWAP」を活用して分析され、個人やチームのパフォーマンス、戦術データが評価されます。これにより、監督や指導者、選手らはリアルタイムでフィードバックを受け取り、効果的な指導を実現することが可能です。
このプロジェクトにおける各者の役割も明確であり、熊谷市は総合的な運営を担当し、立正大学はデータの利用目的や目標の設定、映像分析によるフィードバックを行います。また、NTT東日本はプロジェクト全体の管理やネットワーク環境の構築に貢献し、NTTSportictはAIカメラや配信システムの提供を担います。各者が協力し合うことで、地域スポーツのレベルアップだけでなく、熊谷市全体の価値向上も目指しています。
本プロジェクトは2025年9月までの期間で展開されますが、その結果は地域のスポーツだけでなく、地域経済の活性化や市民の健康促進に寄与することが期待されています。熊谷市の取り組みを通じて、他の地域もスポーツDXの導入を検討するきっかけとなるでしょう。
埼玉県熊谷市では、地域スポーツ活性化を目的とした産学官連携の共同研究が進行中です。AIカメラと映像分析ソフトを活用し、スポーツ団体のパフォーマンスを向上させる取り組みは、地域全体に新たな価値をもたらすことが期待されています。デジタル技術を通じた「スポーツDX」による地域貢献が、今後の励みになることでしょう。詳しくは「NTT東日本」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部糸井