2025年に迫る超高齢化社会に向けて、シャープと住友商事、名古屋大学などが共同で高齢ドライバ向けの運転支援ソリューションを実証します。モバイル型ロボット「ロボホン」を活用し、安全かつ快適な運転環境を提供する新たな取り組みが始まります。
近年、高齢者の交通事故は深刻な社会問題となっています。高齢ドライバによる事故を防ぐためには、運転行動の改善につながる支援が求められています。このような背景の中、シャープは住友商事、名古屋大学未来社会創造機構、株式会社ポットスチルと連携し、新たな運転支援システムを開発しました。
このシステムの鍵となるのが、シャープのモバイル型ロボット「RoBoHoN(ロボホン)」です。ロボホンは、スマートフォンやクラウドメディアと連携し、高齢ドライバの日常運転をサポート。運転中の注意喚起や運転後の振り返り支援を通じて、自己認識の向上を目指します。特に、運転行動への具体的な示唆が可能であるため、ドライバに危険な運転への気付きを促す効果が期待されています。
実証実験は、2025年1月23日と28日に大阪府の公道で実施され、4月からは全国規模へと展開される予定です。この実証実験では、ロボホンが同乗することで、従来の音声ナビ機能では得られない同乗者効果を活かします。ドライバエージェントシステムによる運転評価やアドバイスが、従来のナビゲーションでは難しかった個別対応を可能にし、高齢ドライバの運転行動の改善につながることを目指しています。
安全運転を促進するため、ドライバに対しては自己評価や他者の意見を活用し、運転行動の変容を図るアプローチを取ります。このような取り組みにより、高齢者が安心して運転を続けられる環境を整えることが急務となっています。高齢者の移動手段を確保し、地域社会の活性化にもつながるこの運転支援システムの実現は、今後の社会にとって重要な一歩です。
実証結果は2025年度中にプレサービスの提供を開始し、2026年度中には商用化を目指すとしています。これにより、高齢者が元気で活動的な生活を送るための一助となることが期待されます。ロボホン革命がもたらす未来を、私たちも注視していきたいものです。詳しくは「シャープ株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部糸井