2024年4〜6月の間に発表されたデータによると、ECサイトにおける情報漏洩が前年同期比で急増しており、特にクレジットカード情報の流出件数が著しく増加しています。この流れは、インターネットショッピングの促進に伴う利便性の向上とは裏腹に、消費者の個人情報や金融情報が脅かされているという現実を浮き彫りにしています。
特に注目すべきは、2024年4〜6月の期間に発生した情報漏洩事件の数が120,727件に上り、その数は前年同期比で11倍以上の急増を見せています。この数字は、1〜3月の流出事件数と比較しても約2倍に達しており、ECサイトの運営企業におけるセキュリティ対策の必要性が一層高まっています。実際に、流出事件の公表までの期間も短縮傾向にあり、今後はフォレンジック調査が未了の状態での公開が増える可能性があります。
さらに、クレジットカードを所有する消費者にとって、情報漏洩はただの数字の問題ではありません。2024年に行われたEC消費者実態調査によれば、クレジットカードの不正利用被害を受けた被害者の中で、なんと10人に1人が補償を受けられなかったことが明らかになりました。補償対象外となる理由としては、請求期限の経過が多く、消費者が不正利用に対してどのように保護されているのかという疑問が残ります。
インバウンドの急増に伴い、特に免税品の不正転売が深刻な問題となっています。国税庁は2024年6月に事業者に対し注意喚起を行い、不正転売を防ぐための対策を強化しています。免税品の流出が増加している状況を受け、購入時の消費税免除方式の見直しも検討されています。
クレジットカード情報の漏洩は、ECサイトの信頼性に直接的に影響を与えます。消費者が安心してオンラインショッピングを楽しめるようにするためには、ECサイトの運営者はしっかりとしたセキュリティ対策を講じる必要があります。このような状況を鑑み、企業は最新の不正利用手口を常に把握し、適切な対策を講じることが求められます。
今後、より多様化する不正手口に対して、関連企業や国がどのような取り組みを行っていくのか、また消費者自身がどのように自己防衛をしていくのかが重要なテーマとなるでしょう。安全なネット通販環境を整えるために、業界全体での総力を挙げての対応が必要です。2024年以降も、クレジットカードセキュリティに関する関心が高まる中で、企業がどのように消費者を守るかが鍵となります。
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執筆:DXマガジン編集部